内容説明
■民具からデザインのヒントを見つける
特定の設計者がいない、人々の暮らしから生まれる民具の造形には、身体性や生活の現場において理にかなった造形やデザインのアイデアが秘められています。
民具の分類としては衣・食・住など「用途別」による分類・整理が一般的ですが、本書では形態、機能、素材、意味などに注目し、民具がもつ豊かなデザインの世界をあらためて問い直します。
「小さな森で身を包む」「つくろいの造形」「布で情景を描く」などのトピックを立て、ビジュアルを豊富に用いながら、用途の枠を超えて民具の魅力を横断的に読み解きます。
収録する民具は、武蔵野美術大学民俗資料室が収蔵するおよそ9万点のコレクションから精選。本コレクションは、民俗学者・宮本常一の指導により収集が始まり、生活用具、郷土玩具、信仰資料など、国内有数の収蔵品を誇ります。
目次
はじめに
巻頭言 くらしの造形から見つける「デザインの素」
第1章 かたちと身体性
コラム1 宮本常一と民俗資料室コレクション
第2章 ユーモアと図案
コラム2 美術教育の源泉としての民具
第3章 見立てと表象
おわりに
掲載資料一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
56
人が暮らしの中で使い続けてきたもの。その時々に合わせて、形を変え、使われ、また形を変え、今の形に辿り着く。その土地土地の風土に合わせて、アレンジされ広がっていく。そこには、単に機能美ということを超えた何かがあるように思う。人の身体に馴染む、心に馴染む、風土に馴染む。馴染むという言葉が、一番、合っているように思う。決して派手ではないが、惹きつけられてしまう。何より、自然の素材や、生活の中で使ったものを組み合わせる思想が素晴らしい。2024/08/15
雪紫
41
懐かしさを感じるもの、今は使われないもの、お正月の定番まで時に懐かしく、時に可愛く紹介。不思議と道具の数々が見やすい。2025/01/05
アナクマ
29
宮本常一に発した武蔵美コレクション9万点から様々な観点を引き出す。「くらしの造形資料」「手の延長、使って実感する知恵、自然素材、手間、そうしたものを仲間と共有する悦び」「使われ続けることで成立する造形」「土着性や風土と、表現との接点を求める」「生活文化から生じるもの=ヴァナキュラー」「個性や多様性を認識させるカウンター・カルチャー」「身体技法のインデックス」「匿名の設計者」「理にかなった機能」「コツや熟練」「くらしと時間」「記憶を呼び起こす媒体」「デフォルメによるユーモア、形や紋様の意味と図案、見立て」→2024/08/12
jimataro
3
これ、すごくいい本!モノのデザインでこんなに心奪われた道具に出会ったのは何年ぶりだろう。循環型社会の中で経済的に成立できる民具ってできないものか。あまりにも美しいのでなくしたくない。2022/12/09
takao
3
ふむ2022/11/29
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