文春e-book<br> 幽霊ホテルからの手紙

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文春e-book
幽霊ホテルからの手紙

  • ISBN:9784163916903

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内容説明

〈中国のスティーヴン・キング〉が放つホラーミステリー!

ある雨の夜、若い警察官・葉シャオ(イエシャオ)の家を、幼馴染の作家の周旋(ジョウシュエン)が訪ねてくる。

周旋は思いつめた様子で、木の小箱を取り出す。ある夜、バスで隣り合わせた血だらけの美しい女性・田園(ティエンユエン)から預かったという。しばらく仕事で上海を留守にしていた周旋が田園を訪ねると、警備員から彼女は心臓発作で亡くなったと告げられた。周旋が自宅に戻ると留守電に彼女のメッセージが入っていた。「あの箱を幽霊旅館に届けて。場所は……」と途中で切れており、発作を起こして電話をかけ、途中で亡くなったと思われた。

周旋は、小箱を届けたいので田園の身元を調べてほしいと葉シャオに頼む。葉シャオが調べてみると、田園は実力と美貌を兼ね備えた伝統演劇の女優で、一時は大変な人気だったが、3年前、公演中に心臓病の発作で倒れ、それ以来ひっそりと暮らしていた。病は悪化し、死を予感して苦しんでいたらしく、精神科にも通院していたことがわかった。

葉シャオの調べで、幽霊旅館は浙江省K市西冷鎮にあることがわかり、周旋は木箱を携えて旅立つ。やがて葉シャオはのもとに、周旋から手紙が届くようになる。幽霊旅館では電気も電話も使えず、近くの集落の郵便ポストから手紙を出すしかないが、旅館で手紙を受け取ることはできないから、一方的に書くことにするというのだ。

そこで語られる幽霊旅館での謎の人々との日々、やがて幽霊騒動が持ち上がり……。

累計発行部数1千万部を超える大ベストセラー作家が放つ、巧緻を極めたサスペンスホラー!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

83
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉和でも洋でもなく中国のホラーを読んでみる。著者は「中国のスティーヴン・キング」と称される作家らしく、この作品が日本初上陸のようだ。奇妙な因縁で訪れた「幽霊客桟」というホテルでの不思議な体験。「シャイニング」中国版のよう。誰が生きていて、誰が死んでいるのか。みんな亡霊なのか。中国の歴史や芸能も題材としつつ、美女たちとの関係もロマンティックに描かれる。オチはちょっと物足りなさも感じるが、この独特の世界観は嫌いじゃない。他の作品も読んでみたい。2023/08/21

ナミのママ

72
警察官・葉䔥のもとに幼馴染で今は作家の周旋が訪れる。周旋はよく知らない女性から怪しげな匣を預かるが女性は死亡。最期の言葉に従い幽霊旅館に匣を持っていく。その旅館たるや黒い海と広い墓地に囲まれた場所に建ち、郵便は届かず電話も通じない。あとは過去と現在が入り乱れ、誰も怪しく、そもそも生きているのか幽霊なのか。幽霊ホテルから葉䔥に送られる一方通行の手紙に綴られる日々の様子。男女のぐちゃぐちゃが面倒くさくて苦手な内容だった。ホラーサスペンスとしては怖さがないかな。でもどんでん返しは面白かった。2023/06/24

オーウェン

55
警察官の葉䔥に幼馴染で作家の周旋から届く手紙。 それは幽霊ホテルと呼ばれる、旅館に滞在した日々の出来事。 中国のスティーヴン・キングと作者は呼ばれているらしく、明らかに「シャイニング」の影響がある中身。 ホテルの従業員や客の言動。 そして近づき恋愛関係になる水月の存在。 次第に周旋も幻想であったり幽霊を見るなど、意識がおかしくなっていく。 第三部になると、この本の構成が分かるが、ラストにはまたゾワッとさせる。 ホラーではあるが心底怖がらせるような類いではない。 むしろ幻想的な雰囲気を感じる中身だった。2023/07/10

あたびー

37
不審な木匣を「幽霊客桟」に持って行ってくれと頼まれた作家の周旋。たどり着いてみるとそこは土地の人が忌み嫌う地の果てのような宿だった。手紙形式のホラー小説だが、そのせいで恐怖が薄まってしまっている感がある。出てくる女性はほぼ全て美人であるなど設定が幼稚な部分があり、読み進めるのにも苦労したが、終章に至って驚くような展開を見せた。その展開からして手紙形式である必要があった訳だが、それが恐怖を薄めている結果になっているのは残念である。2023/12/16

うまる

31
"中国のキング"の異名は伊達じゃない。謎の美女に謎の箱、そして幽霊客桟へ…の序盤から引き込まれました。作家が田舎の宿泊所へ行くというのは、まさにあれのオマージュって感じですが、歴史要素がある所に読み応えを感じました。がっつり怖がらせる系ではなく、美と寂寥感のホラーに、ひと捻り加えた感じ。歌と舞いのある劇は映像映えしそうです。中国のホラーといったら、キョンシーしか思い浮かばなかったので、こんな作家さんがいたことに驚きました。日本版専用にあとがきを書いてくれたサービス精神も嬉しいです。2023/07/30

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