ゴースト・ワーク

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ゴースト・ワーク

  • ISBN:9784794973481

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内容説明

AIが人の仕事を作る世界。
超高速で拡大する「ギグワーク」の最暗部をえぐる渾身のルポルタージュ。


Amazon、Google、Microsoft、Uber。
大企業が提供する自動化(オートメーション)された
サービスの裏側に潜む、数えきれない「見えない労働者」の
存在と実情とは。

【文化人類学者×コンピューター社会学者】
が新しい局面へと突入した、「労働」の変化をリアルに伝える。

アメリカ人の推定8パーセントが「ゴーストワーク」で少なくとも一度は働いたことが
あり、その数はますます増え続けている。
 彼らは通常、これまでの「仕事」において法で定められている最低収入よりも少なく、
健康上の利点はなく、理由を問わずいつでも解雇されてしまう。この種の「仕事」を管理
する労働法はまだなく、これらの末日の組立ラインは、驚くほど多様な範囲の労働者を引
き込んでいる――お金に急いている若いシングルマザー、早期退職を余儀なくされた専門
家、就職に失敗したものたち。彼らは過労と過少賃金に日々苦しんでいる。
情報化が進み機械化が進むにつれて増大が予想される「見えない労働者」をどう考える
か。雇用主、労働者、そして社会がこの新しい種類の仕事とそれに携わる人々についてで
きることとは何か。

【目次】
序 機械の中の幽霊
第1部:自動化のラストマイルのパラドックス 
 第1章:ループ(作業工程)の中の人間たち 
 第2章:出来高払いの仕事からアウトソーシングへ
  ――自動化のラストマイルの略史 
第2部:苛酷な仕事 
 第3章:アルゴリズムの残虐とゴーストワークの隠れたコスト 
 第4章:お金(以上のもの)のために熱心に働く 
第3部:ロボットにやり返す 
 第5章:見ず知らずの人の優しさと協同の力
 第6章:ダブルボトムライン
結論:目下の課題 

謝辞
方法に関する付録
註一覧
解説:彼らは幽霊じゃない 成田悠輔

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あきら

32
「AI・機械VS人間」という構造が偏った意見であることに気付かされる一冊です。 2023/07/07

よっち

30
Amazon、Google、Microsoft、Uber。大企業の自動化されたサービスの裏側に潜む、数えきれない見えない労働者の存在と実情。超高速で拡大するギグワークの最暗部をえぐる渾身のルポルタージュ。今日のAIは基本的な判断を下す以上のことは、作業工程に組み込まれた人間以外にはできない。情報化が進み機械化が進む中でそれを手伝うような作業は、法で定める最低収入よりも少なく、健康上の利点はなく、いつでも解雇されてしまう。これが進んでいけばいつか日本でも視えない労働者の問題が顕在化してもおかしくないですね。2023/06/05

原玉幸子

27
世の中を見渡しては、ウーバーや隙間バイト、捕まった入社WEB試験の請負、自身の体験ではWEB研修のレポートを添削して貰った講師等々、インターネットに繋がることで出現した労働形態の社会学的分析と、それらに関わる人達の労働観のレポートです。副題は雇用する企業を糾弾するかの表現ですが、意識としては労使双方に対してポジティブな変革を望むもので、それこそ、社会実態をもう少し「深読み」するには、少し前に流行った『ブル・シット・ジョブ』やアレント『人間の条件』の合わせ読みがヒントになる気がします。(◎2023年・夏)2023/06/23

shikada

17
仕事の自動化が進むなかで、自動化によって新たに生み出された「ゴーストワーク」を解説する一冊。たとえば画像認識技術では、どの画像が何を表しているかラベル付けする仕事が必要になる。こうした、自動化が生み出した手作業は、正社員ではなくオンデマンドで短期的に業務を委託された人々が行う。企業は大量の人員を正規雇用するコストを負わずにすむため、利用が広まっている。単純作業をイメージしていたけど、クライアントの見込み客を探して提示するような専門性が必要な仕事も多く、ワーカーの多くは学士号を持っているのは意外だった。2023/10/15

Ujiro21

8
通勤用に。システムの裏方を支えるギグワーカーとプラットフォームの現場。アマゾンなど具体的なプラットフォームが取材されていて興味深い。簡単な商品説明やAI学習データのうら側。ビックテックもオズの魔法使いな側面があることは、システムの限界か。ワーカーの立場が圧倒的に弱い説明がひたすら読み疲れた。大学やボランティアが労働力を無償で搾取している構造は笑えた2024/01/30

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