内容説明
公共データベースの情報を疾患研究に活かしたい方,ラボに眠っているオミクスデータがある方は必見! ゲノムの変異と疾患をどのように結びつけるか? 第一人者の研究事例からデータの使い方を学ぶ
目次
【目次】
序
概論 ポストGWAS時代の遺伝統計学
第1章 遺伝統計学の基礎理論
1.大規模ゲノム配列決定時代の遺伝統計学
2.遺伝統計学の歴史と展望
3.メンデルランダム化と臨床疫学
4.polygenic risk scoreの臨床応用とその展望
5.パレオゲノミクスで紐解く日本人集団の系譜
第2章 大規模疾患ゲノム解析の現状
1.呼吸器感染症の大規模疾患ゲノム解析
2.がん領域のゲノムワイド関連研究
3.がんゲノムデータの共有基盤
4.クローン性造血とヒト疾患のかかわり―遺伝子変異とコピー数異常の統合解析による知見
5.精神疾患の発症におけるゲノムコピー数バリアントの関与
他
第3章 オミクス解析と疾患病態研究の最前線
1.免疫担当細胞に特異的な遺伝子発現機構と免疫疾患
2.eQTL情報と機械学習の融合研究
3.公共データを活用したpromoter usage QTL解析
4.大規模1細胞データを用いた遺伝統計解析
5.大規模メタボローム解析が明らかにする代謝プロファイルの多様性
他
第4章 HLA遺伝子型をめぐる生命現象
1.解読困難ゲノム領域HLA・KIR遺伝子の特徴
2.HLA多型によるT細胞受容体配列の個人差と自己免疫疾患発症リスク
3.ウイルス特異的T細胞の交差反応性とHLA遺伝子型―COVID-19の重症度との関連
4.自己抗原/HLAクラスⅡ分子複合体と自己免疫疾患
第5章 人工知能技術のゲノミクス応用研究
1.人工知能技術のライフサイエンス分野への応用
2.遺伝子摂動応答オミクスデータを用いた治療標的予測―疾患横断解析によるターゲットリポジショニング
3.オミクスデータ解析に対する人工知能・機械学習技術の発展
4.人工知能技術を駆使したがんゲノム研究への展開と今後の課題
5.遺伝情報解析に対する深層学習の応用―HLA imputation法を例に
第6章 ゲノム情報の社会実装に向けた取り組み
1.公的データベースを通じたデータ共有の促進をめざして
2.遺伝統計学の活用によるゲノム創薬の現状と今後
3.ゲノム医療の実現に向けたデータの利活用と保護に関する国内外の動向
4.本邦における消費者向けDTC遺伝子検査サービスの社会実装の可能性
コラム 遺伝統計学・夏の学校@大阪大学
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