世界の食卓から社会が見える

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世界の食卓から社会が見える

  • 著者名:岡根谷実里
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 大和書房(2023/04発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784479394020

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内容説明

世界各地の家庭に滞在し、その家の人とその土地の食材で料理をして食卓を囲むと、
それまで気づかなった疑問が湧いてくる――

・どうしてここのほうれん草は日本のより味が強いんだろう
・肉とチーズを一緒に食べることが宗教的にだめってどういう理屈だろう
・なぜアボカド産地なのにいいアボカドが買えないのだろう
・ブルガリアの人って本当にヨーグルトをたくさん食べるんだろうか

そんな疑問から、食べ物と政治、宗教、環境、教育、気候、民族などとのつながりを解き明かしていく。
台所探検家・岡根谷実里が探る「おいしい/おいしくない」を超えた料理の向こう側の話。

目次

第1章■食と政治 ブルガリア ヨーグルトは本当に「伝統食」か?
メキシコ アメリカナイズされるタコス 
ベトナム 元技能実習生たちが作る精進料理 
スーダン パンの普及が生活を揺るがす 
★コラム1 おみやげに喜ばれる日本のお菓子は? 

第2章■食と宗教 
イスラエル マクドナルドにチーズバーガーがない――食べ合わせの謎に迫る 
インド 世界一厳しい? ジャイナ教の菜食と生命観 
★コラム2 機内食に見るフード・ダイバーシティ 

第3章■食と地球環境
ボツワナ アフリカの大地で出会った、タンパク質危機を救う最強の魚 
メキシコ アボカド人気が大地を渇かす 
★コラム3 世界のサバ缶30種を食べ比べてみた 

第4章■食の創造性
フィンランド  パンケーキ作りに透けてみえる子ども中心教育 
ベトナム 代替肉のルーツを探して寺の台所へ 

第5章■食料生産
キューバ 食料配給制が残るオーガニック農業先進国 
中国・上海 安心して食べられる野菜を求めて
ボツワナ 牛肉大国でなぜ虫を食べるのか? 
★コラム4 卵大国の日本、なぜ卵はずっと安いのか? 

第6章■伝統食と課題   
モルドバ 自家製ワイン文化とアルコール問題 
中華文化圏 進化する月餅と増える廃棄 
★コラム5 ラマダンの時期、世界の食欲は増す
 
第7章■食と気候
ウズベキスタン 日本の野菜は水っぽい? 
コロンビア 豊富な気候帯が生み出す一杯のスープ 
★コラム6 世界の家庭の朝食はパンとシリアル化が進む 

第8章■食と民族
パレスチナ 国境よりも堅いオリーブの木と自家製オリーブ漬けの誇り 
ヨルダン シリア難民がもたらした食文化

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

344
岡根谷実里氏は、巻末の著者紹介によれば「世界の台所探検家」とのこと。その肩書は幾分怪しげなのだが、内容はきわめてまっとう。彼女がここで述べているように、台所の片隅からでも、食卓からでも社会が見えてくる。もちろん、それは見ようとして初めて見えてくるのであるが。例えばヨーグルトの国ブルガリア。あれはソ連の政策によってそうなったのであって、ソ連邦崩壊後は消費量が半減している、あるいはパンが世界を席捲し、最貧国はますます負のスパイラルに、など我々が日常は目にしていても、あえて見ないふりをしている「食」の問題を⇒2023/09/27

パトラッシュ

161
世界の家庭料理を紹介する本は珍しくないが、その料理が広く普及した背景には相応の政治的社会的な理由があったとは語られない。社会主義時代のブルガリアは肉の供給不足をヨーグルトで補い、アメリカの低金利ローンで小麦粉を輸入したスーダンは借金が返せず治安が悪化した。航空機の機内食に宗教別やベジタリアン向けメニューがあるとは、宗教に無関心なので知らなかった。虫食や未成年飲酒が伝統的に当然だったり、内戦による難民流出で料理が世界に広まった事例も紹介される。食が豊富すぎて食を深く考えなくなった日本人の食に未来はあるのか。2023/10/30

ぶち

91
読友さんのレビューを拝見して読みたくなった本です。 自分の舌と足で世界の台所を体験してきた著者が紹介してくれる料理には知的刺激があふれています。ユダヤ教の食物規定でチーズバーガーがない、ラマダン前には砂糖の国際価格が6%上がる、ブルガリアのヨーグルトは大国の政治に左右された人民食だった、アボカドは中南米の麻薬カルテルの新たな資金源になっている、オリーブの木とパレスチナ問題、どれも常識を覆してくれます。地理・気候・歴史・政治・宗教などの観点から社会の在り様や家庭の暮らしが見えてくるとても知的で面白い本です。2024/04/21

きみたけ

90
奥深い内容でとても面白かった。著者は世界の台所探検家こと岡根谷実里さん。世界各地の家庭の台所を訪れて一緒に料理をし、料理を通して見える暮らしや社会の様子を紹介した画期的な一冊。「世界一おいしい社会科の教科書を作りたい」との思いから、世界の家庭で出会った料理を入り口に、地理や歴史や宗教や政治にも話が広がります。翻って、日本の野菜や食糧事情などと比べる良いキッカケとなりました。コロンビアの代表的なスープ「アヒアコ」は、自国の豊富な気候帯だからこそ生み出せる一品だそうで、ぜひ一度味わってみたいです。2024/02/12

ままこ

80
〈料理は、地理と歴史でできている〉世界各地の家庭を訪れ、滞在し料理から見える社会や暮らしを写真付きでわかりやすく書かれている。「伝統食」と思ってたものが実は作られたイメージだったとか、ヴィーガン食や宗教食、もどき料理など食に関連するものが深掘りされている。紛争地域でのオリーブの木の話は重く、平和のありがたさが身に染みる。月餅は中国では贈り合うものなんだ。進化した月餅はどんなものか🥮食べてみたい。独自の観点が興味深く、世界の台所探検家の肩書きに納得。2023/12/14

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