死者を巡る「想い」の歴史

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死者を巡る「想い」の歴史

  • 著者名:山本幸司
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 岩波書店(2023/04発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000615587

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内容説明

古代・中世を生きた人びとは,人の死をどのように受けとめ,死者をどのような想いで送ってきたのだろうか? 亡くなっても遠い彼岸に旅立たないで身近にいてほしい,夢でもいいから時には語りかけてほしい.多くの人びとは,そうした想いでいたのではないか? 死と死者を巡る日本人の「想い」を,和歌・物語などを手がかりに探る.

目次

はじめに
第一章 死者を送る,死者を悼む
一 家族・親族との死別
1 妻・夫との別れ
2 親を送る
3 子に先立たれ
4 兄弟を送る
二 家族・親族以外の別れ
1 友人・知人を送る
2 名も知らぬ人を送る
第二章 遺された側の想い
一 慰め合う人々
1 慰めの歌を贈る
2 弔問の頃合い
二 遺された身の孤独
1 連れ合いに先立たれ
2 友に後れる
3 遠方で接する死
4 重なる不幸
三 厳しい現実
1 切れる絆
2 処世の姿
3 流れへの反発
4 悲喜交々
5 供養の負担
四 死後の供養
1 服喪と喪明け
2 年忌
3 墓参り
【コラム】記紀万葉の他界観1 政治神話と天上他界
第三章 死者の世界へ
一 死に行く者の思い
1 『万葉集』の例
2 八代集以降
3 死者の詠んだ歌
二 死への諦念
1 夢と現
2 無常の世
三 死後の道程
1 死者の行く道
2 三途の川
3 死出の山
【コラム】記紀万葉の他界観2 黄泉国と山
第四章 なお残る死者への想い
一 蘇る思い出
1 幼い子
2 形見の品
3 主なき家
4 花に触れて
5 鳥の声・虫の音
二 夢に託す想い
1 夢の中での再会
2 夢の悲しさ
三 死者は身近に
1 再会を念じて
2 死者の還る日
【コラム】記紀万葉の他界観3 鳥と天翔る
第五章 死者とその霊魂
一 死者の霊魂と肉体
1 あこがれ出る魂
2 死者の霊魂
二 説話や物語に見る死者の霊魂
三 死者の霊魂に対する二つの見方
四 浄土や極楽を信じるか
五 「あの世」とは
補章 能楽――負の他界の死者
一 穏やかな死者の霊
二 死者の前生における社会的属性
三 死者の成仏を妨げる要因
1 合戦という修羅道
2 殺生の業
3 男女の妄執
4 親子の恩愛
5 晴らしがたい怨念
6 やり残したことへの執着
四 導師としてのワキ
五 救済劇としての能楽
文献一覧
あとがき
引用史料略年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

16
万葉〜八代集をはじめとする和歌や説話、謡曲などを手がかりとして、古代・中世の日本人が死をどのように受け止めたかを探る。愛する人の死を嘆く感性は現代と変わらない反面、生と死が完全には分かたれていない不思議な世界。故人が夢枕に立って詠んだ歌が何首も伝えられているのはその典型的な表れだろう。死者の魂が天に昇るのではなく、山路を通ってあの世に行くというイメージも現代人には分かりにくい。2025/02/19

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