内容説明
太古から人々は,水滴や水晶のプリズムを通った太陽光が波長によって分かれる様子を虹という現象を介して目撃していた.この古くから知られる「分光」が,太陽そして太陽系全体が何でできているのか,宇宙全体がどのようにしてできたかを教えてくれる.さまざまな分野と結びついて発展してきた宇宙の化学が解き明かす物質進化の物語.
目次
まえがき
第1章 ガスの炎とプリズム
第2章 宇宙からの光
太陽光のスペクトル
フラウンホーファー線
太陽は何でできている?
〔コラム1〕ヘリウムの暗線
第3章 ビッグバン
宇宙の膨張
宇宙マイクロ波背景放射
ビッグバン元素合成
〔コラム2〕宇宙の晴れ上がり
恒星での元素合成
第4章 原子から分子へ
太陽をつくる
宇宙でもっとも冷たい天体
〔コラム3〕放射冷却
宇宙からの電波
星間分子の世界
赤外光で探る星間塵
〔コラム4〕初めて発見された星間分子
第5章 宇宙における物質進化
水素分子生成:1+1を2にするには?
付加反応を可能にする「三体衝突」
星は塵から生まれる
宇宙で水をつくる
宇宙の氷は乱れている
有機分子をつくる
越えられない壁をすり抜ける
〔コラム5〕宇宙最強の酸
第6章 より複雑な分子へ
氷星間塵から炭素質隕石へ
氷星間塵の光反応:イエロースタッフとブラウンスタッフ
〔コラム6〕彗星の色
第7章 宇宙の化学を研究する意味
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
17
この本は面白い。宇宙が始まった138億年前に何が起き、どんな経過でさまざまな物質に溢れる世界が形成されたのかを解説してくれる。宇宙空間に一番たくさんあるのは水素ついでヘリウム、そこから現れた様々な物質、これを明らかにするのが光の分析(プリズムを使う)。そうして、現在の宇宙は水や一酸化炭素、多種多様の有機物(アルコールまである)でいっぱいになっていて、これは「はやぶさ2」が持ち帰ったサンプルの分析の結果でもある。不思議に思っていたことが見事に解消、私は大喜びをして読んでしまった。2026/06/13
takao
2
・星間分子を波長で知る2023/05/05
Steppenwolf
0
G読み始めた当初ビッグバン以降様々な原子が形成される過程を述べるのかなと勘違いした.実際は,水素,酸素,炭素などから分子の形成する過程を説明していた.前半は,すでに別の著作を読んでいたのと大雑把には知っていることであった.しかし,宇宙空間における分子形成については想像すらしていなかったことなので結構興味深く読めた.2023/05/08
skm
0
宇宙と化学という組み合わせに興味があり読んでみた。ガスバーナーの光とライターの光の分布の違いが印象に残った。宇宙での分子形成は一筋縄ではいかないのだなあ。2023/03/11
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