内容説明
アメリカ連邦最高裁裁判官を務め、条文の元々の意味こそが法律についての裁判所の解釈を支配すべきであるとする「原意主義」の旗手として憲法解釈論争に大きな影響を及ぼしたスカリア。本書は、その主論文に加えて、ローレンス・トライブ、ゴードン・ウッド、ロナルド・ドゥオーキン等の小論、それに対するスカリアの応答を収録する。
目次
まえがき[エイミー・ガットマン]
新版用序文[アキール・リード・アマー]
制定法システムの中のコモンロー裁判所――憲法および法律の解釈における合衆国連邦裁判所の役割[アントニン・スカリア]
コモンロー
民主的な立法
制定法解釈学
「議会の意図」
Church of the Holy Trinity判決
条文主義
規範と推定
立法資料
憲法条文の解釈
生ける憲法の柔軟性と寛緩性
進展についての指導原理の欠如
コメント[ゴードン・S・ウッド]
コメント[ローレンス・H・トライブ]
コメント[メアリー・アン・グレンドン]
コメント[ロナルド・ドゥオーキン]
応答[アントニン・スカリア]
ウッド教授
トライブ教授
グレンドン教授
ドゥオーキン教授
新版用あとがき[スティーブン・G・カラブレイジ]
解題[大林啓吾]
訳者あとがき
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フクロウ
2
保守強行派の理論家でイタリア系の最高裁判事だった故アントニン・スカリアが、なぜ(あまりに不合理と直感的には思える)原意主義にこだわったのかがようやくわかった。生ける憲法だともはや碇がなくなるという懸念か。つまり、今の日本もそうだが、憲法文章の改正、改憲により憲法の規範内容を改めるのではなく、最高裁判事の多数派の憲法解釈の変更により憲法の規範内容を改めるやり方を許す(これが「生ける憲法」の一つの要素には違い無かろう)と、結局、社会の多数派の価値観で憲法典が変更され歯止めが無くなると。2025/04/15
中将(予備役)
1
スカリア裁判官の条文主義に関する講演と識者(トライブやドゥオーキンがいる)コメント・応答。判例や「立法者意思」(これは不確かである)ではなく、法の条文に則ったオリジナリズムが論じられ、「保守派」「歴史と伝統」などと言う言葉から受けていた印象を改めた。本文も面白いが、序文やコメントの批判も鋭い。法制史や大陸法との比較は特に興味を引いた。コモン・ロー批判から出発しているので、日本人研究者のものではあるが『アメリカ憲法のコモン・ロー的基層』も読み考えたい。2023/12/28
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