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内容説明
<日本国家の治安維持を担う、密やかで特殊な警察>
「非公然のスパイ組織」「国家の諜報機関」「陰謀結社」「特高の末裔」……
一般社会が「公安警察」に求めているリアルは、エンターテインメントとして割り切っている方も多いが、事実とはなはだ乖離した現代の神話、あるいは怪談話である――。
かつて中の人として、約20年警察官僚を勤め上げた著者はこう述べる。
盗聴、潜入、証拠のでっちあげ、ハニートラップなど、国家的治安維持のためなら何でもアリ!
このようにとらえられる彼らの素顔は、明解な法令と厳重な秘密の内側にあった。
生態、内情、真の目的とは?
元警察官僚の本格ミステリ作家がその実像を浮き彫りにする。
世の暴露本には記されてこなかったファクトのすべて。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
126
公安警察は被害発生の予防を求められる。テロ事件の被害者や遺族は事前にわからなかったのかと思うだろうし、一方で警察の権力増大を懸念する声があるのも事実。その点をテーマにした警察小説も多いが、情報公開が乏しく公安の実像はわかりにくい。元公安キャリアの著者は「官僚組織としての公安警察は裁判で有罪判決を得るためにも違法行為は不可能」とし、人員の少なさもあり秘密警察的行動はできないと繰り返すが、そもそも公安に裁判となる案件がどれほどあるのか。ことさら公安を卑小で普通な存在に見せかけようとしているように見えるのだが。2023/05/03
みこ
25
多くの人が名前は知っていても実態は知らない公安警察について元公安の筆者が解説。そもそも世間一般で公安と思われている組織は存在せず、逆に公安っぽいものなら警察庁にも警視庁にも各都道府県警にも存在する。4章では現在日本一有名な公安警察であるF・T氏(A・T氏ともいう)のリアリティについて考察されており、これだけで十分じゃないかというくらい面白かった。最も他章での公安についての解説という補足知識あっての面白さではあるが。2023/04/18
海燕
17
元警察官僚による公安警察の解説。公安は、警察の中でも謎が多いセクションだ。公共の安全、秩序の維持を脅かすテロ団体の封圧・壊滅を所掌する。生活安全、警備、刑事、交通の四専務の中では警備に属する。警備にも色々あり、皇族の警衛や要人警護、災害対応や雑踏警備は「公安」ではない。狭義の警備警察が「公安」なのだ。テロを画策する団体は、公然とその準備をするわけもないから、それをウォッチする警察の活動も自ずと水面下、長期化する傾向にある。何かコトが起こってはいけない、未然に防ぐのが至上命題なのだからその仕事たるや大変‥2024/07/13
4丁目の父ちゃん
12
最近、古野さんの作品を読む様になり、公安警察に興味が湧くが、本作品は思っていたものと違っていた。物語の中で公安警察のお話が出るのかと思うも、公安警察とは.. 公安警察についてのお勉強会になってしまい、座学が苦手の小生、読み飛ばしました。2023/06/23
coldsurgeon
11
警察小説を読むと、「公安」という言葉はよく目にし、「公安警察」というものは、昔の特高警察のような姿で描かれていることが多い。だから、現実として、そのような組織が日本の警察機構の中にあると思っていた。しかし、元警察官僚である著者が語る事実は、異なる姿を示している。公安というのは。国家の安全・国民の安全を損なう犯罪を起こす可能性のある組織を調査し、様々な法的手段を使って、そのような犯罪行為を防ぐことであった。小説は、ファンタジーであることを改めて認識し、どこまでが事実に即しているのかを知らなくてはいけない。2023/05/11
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