ブルーバックス<br> からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界

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ブルーバックス
からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界

  • 著者名:小鷹研理【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2023/04発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065316238

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内容説明

「からだの錯覚」を通して人の身体や脳の実態に迫る、認知科学研究者である著者が、からだに起こる不思議な現象を徹底解説します。「自分」という、もっとも身近にありながら、つかみどころのないもののイメージが、脳や五感などによってどんなしくみで作られているのかが語られていくと共に、錯覚を感じるさまざまな方法も紹介。読者も簡単な方法で、不思議な錯覚の世界を体験をできるかもしれません。
自分が感覚としてとらえている自分の体と、実際の体が乖離していることを感じたりすることは、誰にでもあること。また、ケガで体の一部を失ったときにないはずの部分に痛みを感じたり、拒食症の人が実際にはやせているのに自分は太っていると感じていたり――そんな例も聞いたことがあると思います。それ以外でも身近にあまり意識しないところで、ちょっとした錯覚を感じることは、実は多いのです。乗り物酔いも、金縛りも、自分の感覚と意識の不一致のようなことから起こる錯覚の視点から説明できます。こういったことがどうして起こるのか、その謎に迫ってみると、生きるために必要な脳の働きなどが見えてくるのです。心と体が離れる「幽体離脱」も科学的に説明できる現象です。オカルトではなく誰しもリラックスしたりするときに起こることがあり、ここでも脳と体に備わったくみが関係しています。
そのような事例を紹介しながらからだに起こる不思議を解説していく1冊。読み進めると、自分が「錯覚」の産物であるように思えてくるのではないでしょうか。身体とはなにか、感覚とはなにか、自分とはなにか、についてふだんとは違った見方で考えるきっかけに。

序章 錯覚体験
第1章 「からだ」とはなにか~自分として感じられる身体と物体としての身体
身体と触覚がバラバラ/身体の感覚とはなにか/自分の「からだ」はどこまでか ほか
第2章 目で見る視覚と頭の中にある視覚――目を閉じることで広がる「からだ」の感じ方
錯覚しやすいかどうか、試すならこの2つの方法/触覚だけで「自分の身体を見つける」!? ほか
第3章 弾力のある身体――空想の世界にも想像しやすいものとそうでないものがある
アバターを自分の身体のように感じる錯覚/腕や脚が伸び縮みするVR錯覚 ほか
第4章 からだの錯覚は思い込みと何が違うのか――錯覚が生まれる、その時脳は……
第5章 「身体」なのか「モノ」なのかーー自分のような自分じゃないような「きもちわるさ」の由来
外傷のない痛み/スライムハンドの衝撃 ほか
第6章 幽体離脱を科学する――不思議な現象が導く、さまざまな可能性
多角的な視点からイメージできる人は、幽体離脱が起こりやすい/リセットされる夢、リセットされない幽体離脱/とりかえしのつかない遊び ほか

目次

序章 錯覚体験
第1章 「からだ」とはなにか~自分として感じられる身体と物体としての身体
身体と触覚がバラバラ~痒みを感じる足と、目の前にある足/身体の感覚とはなにか/身体内部の位置感覚!?――固有感覚とはなにか/一つの感覚では成り立たない「からだ」/地面に映る影はなぜ「からだ」ではないのか/からだの錯覚の基本――ラバーハンド錯覚/「からだ」の場所はなぜあちこち彷徨うのか/自分の「からだ」はどこまでか/「『からだ』と触覚がバラバラ」をふたたび考える/本当は、皮膚は石のように硬いかもしれない!/錯覚による「物質からの解放」
第2章 目で見る視覚と頭の中にある視覚――目を閉じることで広がる「からだ」の感じ方
錯覚しやすいかどうか、試すならこの2つの方法/触覚だけで「自分の身体を見つける」!?/「外的な視覚」と「内的な視覚」/セルフタッチ錯覚のバリエーション/背中の後ろの自由な錯覚像/身体に近接する仮想空間
第3章 弾力のある身体――空想の世界にも想像しやすいものとそうでないものがある
アバターを自分の身体のように感じる錯覚/腕や脚が伸び縮みするVR錯覚/空想世界の身体状態でも、受け入れやすいものと受け入れにくいものがある/夢で空を飛べるのは、なぜか/指が伸びる錯覚/ダブルタッチ錯覚――接合型のラバーハンド錯覚
第4章 からだの錯覚は思い込みと何が違うのか――錯覚が生まれる、その時脳は……
錯覚は思い込みではないのか/錯覚していることを証明する――「共感覚」は思い込みではない/からだの錯覚の脳内マーカー――身体ではなく「からだ」を認識するとは
第5章 「身体」なのか「モノ」なのかーー自分のような自分じゃないような「きもちわるさ」の由来
錯覚で感じる「きもちわるさ」の正体/主体感と所有感のねじれ/節操のない自己と融通のきかない自己/身体の中の「モノ」!?/所有感が部分的に奪われる錯覚/外傷のない痛み/スライムハンドの衝撃
第6章 幽体離脱を科学する――不思議な現象が導く、さまざまな可能性
幽体離脱は実在するのか/幽体離脱の脳科学/多角的な視点からイメージできる人は、幽体離脱が起こりやすい/動かない体、動きたい心/幽体離脱はラバーハンド錯覚の拡大版か/天空を見下ろす/リセットされる夢、リセットされない幽体離脱/とりかえしのつかない遊び

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スプリント

8
からだって本当に不思議だ。 本書はからだが生み出す錯覚を多数紹介している。 簡単に実践できるものも多いのでパーティやイベントのアイスブレイクに活用できそう。2023/11/12

kamekichi29

5
体の感覚の錯覚を実験の仕方などと共に紹介。あまり興味を惹かれる内容でなかったので流し読みしてしまいました。2024/08/23

renren

3
『「からだ」の感覚』とは、人が自分の体の範囲を認識し、それを自分のものと感じる感覚のこと。実は触覚とは一致しない。これを直接司る脳の部位は確定されていない。関係があると推測されているのは聴覚野・視覚野・運動野等の境界部。「オーケストラ認知」、すなわち身体の感覚を総合的に統合して作り出されるのが「からだ」の感覚。主体感=自分がそれを操作していること、所有感=その部位が自分の一部であること、必ずしも一致しない両感覚。幽体離脱と夢とVRの違い。錯覚により解き明かしていく興味深さ。2024/08/26

takao

2
ふむ2024/05/14

中島直人

2
(図書館)VRと絡めた部分が気になりました。2024/04/07

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