双葉文庫 パズルのような僕たちは

著者名：石野晶【著】

双葉社（2023/04発売）

• ISBN：9784575526561

内容説明

過剰に目立たないことをモットーに日々を過ごす高校生の谷口月彦は、ある日ジグソーパズル症候群という病に襲われる。原因も治療法も不明だというそれは、身近にいる他人と段階的に手足が入れ替わり、最後にどちらかが命を落とすという病だった。月彦と対になるのは、アイドル活動を行っているクラスメイトで、幼なじみでもある藤枝糸雨。自らの手足が別の人間にくっつき、満足な生活を過ごすこともできない２人は、それでも心残りなく最期の時を迎えられるよう、文字通り手を取り合って生きていく。困難を乗り越え成長する男女の姿を描いた感動作！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[tenori]

石野晶さんはファンタジーだからこそのシビアな恋愛観を上手に表現する作家さんだ。右手から始まり徐々にに身体が入れ替わり、どちらかが命を失う謎の病に冒された幼なじみの高校生。かたや目立つことを避け覇気の薄い月彦と地域限定ながらアイドルとして活動する糸雨。対となってしまった二人の儚くて濃密な半年間。誰かのために生きることが命題とされたときに、自分を捨てて相手に想いを託せるか。互いのために何を優先させるのか。心の内で育まれる叶わない夢の結末が切ない。

2024/09/15

[よっち]

目立たずに生きることがモットーの高校生・谷口月彦。そんな彼がアイドルで再会した幼馴染でもある人気者の藤枝糸雨と一緒に突然ジグソーパズル症候群という未知の病に襲われてしまう青春小説。身近にいる他人と段階的に手足が入れ替わり、最後にはどちらかが命を落とすというジグソーパズル症候群。動かせる自らの手足が別の人間に付いてしまい、満足な生活を過ごすこともできない2人が、それでも心残りなく後悔しないよう一緒に精一杯生きる中、再び心を通わせてゆく展開で、相手のことをきっと忘れないその結末がなかなか印象的な物語でしたね。

2023/05/17

[彩]

ジグソーパズル症候群という病気にかかった少女と少年のお話です。その病気のせいでとても不便な生活の中、2人がやりたいことを協力して叶えていきます。少年は家族関係と将来の職業に悩んでいましたが、少女と協力し、解決していきます。私がもしこの病気にかかったら、絶対に耐えられないと思います。夢をもつことの大切さと命の儚さがよく分かるお話でした。このお話の面白さは感想にかくと、ネタバレになってしまい面白くないので、実際に読んでもらいたいなと思います。是非読むべき感動作です✨

2023/09/27

[よし]

体が部分的に入れ替わっていき、最終的にはどちらかひとりが死んでしまうという病気を発症した２人の物語。特殊な設定で、そんな中で無理だと思うようなことも２人で協力し合って希望を叶えてゆく様子が良かった。けれど、死ななかった方のこれからの人生は、想像するとだいぶつらい気がする…。

2023/10/06

[小東うみ]

2023.9/3-2023.9/7 ★★★★★ ジグソーパズル症候群。最後、魂が入れ替わることには驚いた。

2023/09/07