内容説明
満員の通勤電車が脱線し、死者80人超の大惨事が発生した。自分の下敷きとなった女性の死に打ちのめされた雑誌記者の辰巳は、真相を求めてペンを握る。一方、鉄道会社側もさまざまな手段を講じ始め……。それぞれの正義が錯綜するサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみん
51
満員の通勤電車がスピードの出し過ぎで脱線事故を起こす。大怪我を負った週刊誌記者の辰巳は自分の下で死亡した女性に自責の念を抱き事故原因を追及する決意。その辰巳の下で亡くなった女性の婚約者、滝本は彼女を失った事に悲観し絶望していたが、通夜で彼女の父に会い鉄道会社という追及する的を見付ける。滝本に声掛けした高石は、外勤の警察官で定年間近。この事故を集大成と自覚して関係者を訪ねる。鉄道会社広報の御手洗は遺族を廻り御見舞い謝罪とリスト作成に多忙を極め、事故の原因を巡って会社に不信感を抱く。「会社は社会よりは小さい」2026/03/16
ゴルフ72
21
「逃げるより正しいことをしなさい。会社は社会よりは小さいのよ」すべてはこの言葉ですね!JR福知山線のあの事故を思い出してしまう。非常に重い題材の小説ではあるが少し期待外れの感は否めなかったのが正直な感想2023/08/16
座敷童
15
尼崎の事故が思い出された。当事者になることで、それまでの価値観が変わり生き方そのものも変わっていく様子が手に取るようにわかった。 企業の大変さもわかるが、最初に嘘を吐くと結局悪い方にしか転がらないのも真実であろう。2023/07/12
さくさく
14
満員の通勤電車がスピード超過で脱線事故を起こして、それに苦しむ被害者遺族と週刊誌記者、捜査にあたる警察官と鉄道会社それぞれの視点から事故をドキュメントしていく。事故の原因を明らかにするのが目的ではなく、果たして組織の論理を貫こうとする大会社の思惑が見苦しかった。会社が潰れても社会が潰れることはない。不正を告発しようとする者の勇気は最大限に尊重されるべきであるし、その覚悟を捻じ曲げる社会であるなら世知辛いだろう。それを世の中に問う記者の役割も重要だと思う。2023/12/15
ゆったん
8
真っ先に福知山線脱線事故を思い出しました。ニュースを見る度に目を覆いたくなる光景が映し出され、犠牲になった乗客の方々にはそれぞれの人生があり、胸が痛くなりました。それと重ね合わせて読んでしまいました。色んな立場の人達の目線で書かれていて、特に鉄道会社の広報御手洗の言動や行動、気持ちの変化等興味深く読ませて頂きました。お母様の言葉が私の心にも刺さりました。母は強い。到底無理だけどこんな言葉が言える親になりたい。2024/01/05




