内容説明
高濃度の水銀、PCB、そしてドーモイ酸の恐怖――クジラの体内汚染が教える、日本人だけが知らない海からの非常事態メッセージ!
●1989年に、北大西洋のサバを食べていたザトウクジラの群れがつぎつぎに死亡した。関係者に衝撃を与えたのは、クジラの死亡原因が、海洋性生物毒のドーモイ酸であったことだ。さらにもう一つ、貝毒の食中毒の原因として知られるドーモイ酸が、貝毒だけではなく、魚からも検出されるという衝撃である。このことは、まさに人間の食生活を直撃する。欧米ではBSE(狂牛病)と同じく、このドーモイ酸が人間を含む哺乳類の脳を壊す性質をもっていることに注目している。ドーモイ酸は、急性の脳症を起こし死に至らしめる。また、助かっても記憶障害の後遺症をもたらす。――<「3.クジラを解剖してわかること」より抜粋>
目次
1.クジラって、どんな生き物なの?
2.衝撃の幕開け……日本で売られているクジラ
3.クジラを解剖してわかること
4.新種クジラ ツノシマクジラとの出会い
5.欧米諸国と日本
6.ここまで深刻となった海洋汚染
7.クジラよ永遠に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぺたろう
11
読了。うーむ。冒頭のシロナガスクジラ不正流通の話は興味深いですが、どういう結末を迎えたのか。軽くネットで調べたけど、問題になっている様子はない。ツノシマクジラ調査の件や、ドウモイ酸、個体識別確立などの話も、直感的に違和感。なんか変。研究者の本として読み進めたので、そんな印象を受けたのかもしれません。2021/09/17
にゃお
2
図書館。他の学者さんの本と間違えて借りた。大学や研究機関の人物なら必ず信頼できるという訳でも無いし、個人でも驚く程の知識や技術を持ってる人はいるけど、この本はあくまで個人の体験記に留まっている感じがした。2023/02/19
aoto
2
実体験を元に捕鯨と鯨研究との葛藤が描かれている。生存数が少ないため、クジラの一匹一匹が識別されている話はとても興味深い。 日本の研究者の苦労の片鱗がよく見えるような一冊で、クジラそのものよりはそれを研究する上でのとりまく環境についての実体験がとても興味深かった。もう何年も前の話にはなるのだろうが。 クジラを守ろうという主張は理解できるものの、西欧からの主張に対してはマネーゲームな気がしてならないのも事実。2020/01/12
志村真幸
1
著者は鯨の撮影を通して固体識別法を開発した研究者。また、多数の鯨を解剖してきたことでも有名。 本書は、鯨を巡るさまざまな問題を現代的な視点から語ったもの。固体識別法、水銀などの有害物質が鯨肉に蓄積される危険、シャチの集団死、捕鯨を巡る対立などなど。 とくに捕鯨を巡る対立については、日本の科学者の及び腰や対応の遅れが糾弾されており、いろいろと考えさせられる。2005年に出た本だが、その後、改善されたのだろうか。 さまざまな漂着遺体の解剖のシーンも。 ただ、構成・文章ともにわかりにくく、読みにくい。2018/10/02
読書家さん#wYIMuF
0
文体が嫌い2021/12/14