光文社新書<br> 再考 ファスト風土化する日本~変貌する地方と郊外の未来~

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader

光文社新書
再考 ファスト風土化する日本~変貌する地方と郊外の未来~

  • 著者名:三浦展
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 光文社(2023/04発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334046590

ファイル: /

内容説明

日本各地のロードサイドに大型商業施設が建設され、その土地固有の歴史・自然・風土が顧みられなくなる現象を批判した『ファスト風土化する日本』(洋泉社新書y)が2004年に出版されてから19年。もはやファスト風土が日本の隅々まで浸透した今、郊外は社会の何を象徴しているのだろうか。ファスト風土の中で多感な時期を過ごした当事者である小説家・建築家・研究者ら13人が考える、令和の郊外論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬佳彰

17
俺の住む地方都市も似たようなもんだな。駅ビル、イオン、チェーンのカフェ、ドラッグストア、大型電器店などなど。本書でも書かれているが、そこに「街」を感じないのは何でだろう?俺が子供の頃に住んだいくつかの街のほうがずっと街だったし、今でも個人商店がかろうじて残っている隣町のほうにずっと「街」を感じる。出張で訪れたいくつもの土地も似たようなものだった。フラットで、似たような郊外店が連なり、昔の駅前はシャッター街という。本書は著者と、寄稿者により構成されているファスト風土に関する考察だ。(続く)2023/07/12

ろべると

11
80年代のPARCO時代から、著者のデータを駆使した都市文化の分析が好きだったが、画一的な大型SCにより地域の独自性が失われることを20年前に論じた前著は知らなかった。本書はそうした「ファスト風土」(!)の現状と打開策について、寄稿も交えてまとめている。衰退する地元商店街の復興は容易ではないが、今や米国的な大量消費の束縛から決別すべき時であり、実際に西荻窪や下北沢などではコミュニケーションが活性化した「うれしい」街づくりが進んでいるようだ。地方都市も金沢市や静岡市のように特徴を活かした再生に期待したい。2023/06/26

HALI_HALI

4
面白い考察。一昔前に地方都市の均一化を「ファスト風土」と表した著者が新たに地方都市の現状に関する考察をまとめたもの。定量的な分析というよりも感性の話だが感覚的にそうかも、と思えてくる。第16章は消費社会の展望に関する書簡を述べたもの。そこで記載されている以下文章が心に残った。「生まれてから死ぬまでの時間という概念が大事になる。何を買うかではなく、どう生きるか、今日1日が充実していたか・幸せだったかを人々はますます問うようになるのである。」2023/07/23

iwtn_

4
元ネタは読んだっけ?と思い出しつつ(少なくとも手元にはなかった)昨今の動向の答え合わせのような感じで読んだ。著者はファスト風土という現象の提唱者的な立場になるのかな?世間を騒がせた犯罪にまで適用するのはやり過ぎな気もするが、しっかりと数値的な裏付けをもってやれば興味深いことにはなりそう。都心の不動産の高騰による郊外化は自分も観察していたが、それに対抗するように周辺部が都市化していくのは面白い。東京の西側も面白そうだ。イリイチやらパタン・ランゲージやら出てくるのは、まあそれはそうだよねという感じになる。2023/06/10

snzkhrak

3
親しみのあるグリーンスプリングスや下北線路街の事が書いてあり、考えの助けになるかもと思い選書。スロー、スモール、ソフト、市民主導、ビッグでハードな企業主導の開発であっても、こうした要素を取り入れていきたい。外から輸入する文化を消費するのでなく、自分達の暮らしに連続した文化を生み出していく。テリトーリオ、町の固有性を大切にし、住民の誰もが隣町とは違うことを強調し、自慢する。地域性・共同性のある娯楽、飲食もこうした体験ができるようなものであると文化性を帯びる。楽しいから嬉しいへ、より内発的で本質的な欲求2023/12/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21143886
  • ご注意事項