オープン・ウォーター

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オープン・ウォーター

  • 著者名:ケイレブ・アズマー・ネルソン/下田明子
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 左右社(2023/04発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784865283648

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内容説明

「きみ」は写真家で、「彼女」はダンサー。2017年冬のサウスイースト・ロンドンで出逢ったふたりは、アフリカ系イギリス人のコミュニティやカルチャーのなかですぐに「一番の親友」になり、やがて恋人になる。季節の移ろいとともに関係はさまざまに揺れ動き、トラウマや悲しみ、人種差別が、時に大波を起こして「きみ」と「彼女」をさらっていく。それでも二人は、心の中の大海原で途方にくれて溺れている相手に手を差し伸べ、愛することを諦めない。
2021年英国コスタ新人賞、2022年ブリティッシュ・ブック・アワード新人賞を受賞した注目の書き手が優しく詩的に描く、デビュー長篇小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

49
映画『トリとニキタ』、『憎しみ』でも描かれたヨーロッパでの黒人への対応。それは黒人は犯罪者として公僕に疑われ、暴力を振るわれる(そしてそれが公然の事実となっている)事。ガーナ系イギリス人の「きみ」はアフリカ系イギリス人の「彼女」に出逢った時から惹かれ、「友達」となり、紆余曲折を経て「恋人」となった。だが、トラウマや家庭から強制された男らしさから抜け出せない「きみ」と全てを分かち合いたい「彼女」と溝ができてしまう。友達だった時に始終、一緒にいるから寝ているんじゃないかと周囲に邪念を抱かれる鬱陶しさに苛立つが2023/09/19

かもめ通信

23
ガーナ系イギリス人作家による長編デビュー作は、時折すすり泣きが聞こえるような、とても静かな、とてもせつないラブストーリーだ。と同時に、穏やかな声でありながらはっきりきっぱりと、ロンドンという街にはびこる人種差別をも描き出す。印象的な場面を拾い集めた映画を観ているような気分で、「きみ」と「彼女」の物語を読み進めるうちに気づく。ああそうか、これは写真だ。場面場面を切り取って、そこに言葉を添えていく。写真家らしいきみの手法なのだと。 2023/05/29

星落秋風五丈原

16
親友から始まり恋人になったカップル。しかしふとしたことから別れてしまう。まず最初にきみ=男性主人公の人種がわかる。2023/08/20

Inzaghico (Etsuko Oshita)

8
本書の主人公、ガーナ系イギリス男性の「きみ」はアフリカ系イギリス人の「彼女」と親友になる。お互いにそこから一歩踏み出したいが、宙ぶらりんの状態が続く。彼は人種差別や男らしさという宿命も背負い続ける。やがて二人は両思いになるも、ふとしたことからあっけなくその関係に終止符が打たれて……。 「きみ」が愛好する作家や音楽の固有名詞が、カタログのように多々出てくるのが特徴的だ。彼が崇めている作家はゼイディー・スミス、彼が好きなミュージシャンはケンドリック・ラマーだ。好きなものが彼の壊れそうな魂の支えになっている。2023/07/30

まこ

5
作中で、主人公の彼を語るわたしとは何者だろうか。彼と彼女の関係も、彼を取り巻く黒人差別もさらっと語ってあくまで中立的。話の進行が季節の変化くらいしかなく、二人の関係にしても同じところをぐるぐる回ってようやく恋人同士になった。流れる水のような感じ?詞をストーリーにすると今作のように話の進行もはっきりしなくなるのか2024/08/24

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