創元推理文庫<br> おれの眼を撃った男は死んだ

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創元推理文庫
おれの眼を撃った男は死んだ

  • ISBN:9784488154035

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内容説明

自分を救ってくれた兄に付き従ううち、いつしか銀行強盗に加担することになった西部の少女。ろくでなしの父親を探すため、拳銃を隠し持ってヒッチハイクをくり返す女性。ぶかぶかの袖口で鼻血をぬぐい、裸足で列車を待つ少年。根拠薄弱な治療の果てに母親が病死し、医者に苛烈な復讐心を抱くようになった双子の妹――。時を選ばず、突如として眼前に現れる犯罪と暴力。その無秩序に翻弄され、血まみれになりながらも生きてゆく人々の息遣いが、気高く、美しく描き出される。O・ヘンリー賞受賞作を含む10編収録、凄絶な迫力を放つ傑作短編集!/【目次】よくある西部の物語/アデラ/思いがけない出来事/外交官の娘/オリンダ・トマスの人生における非凡な出来事の奇妙な記録/ジェイムズ三世/蜻蛉(スネーク・ドクターズ)/死を悼む人々/認識/われらはみなおなじ囲いのなかの羊、あるいは、何世紀ものうち最も腐敗した世界(オ・セキュラム・コラプティシマム)/謝辞/訳者あとがき/解説=杉江松恋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Shun

27
ミステリ系のレーベルから想像される推理小説ではないが総じて良い短編集でした。何よりどの作品も読む毎に違う手触りで、書き手の知性や技巧を感じられる作品。全10編、犯罪小説や時代小説といった内容だけでなく詩的な表現までこなし極めて密な1冊となっています。古い西部映画を思わせる冒頭の「よくある西部の物語」から始まり、幾つもの時代と異なる土地を歩んできたかのような濃い読書体験ができ満足度は高い。ちなみに表題はある作品中の会話での言葉。暴力による応酬が当たり前の世界を端的に表しているようで良いセンスを感じます。2023/07/04

ぼっせぃー

2
「よくある西部の物語」「アデラ」「思いがけない出来事」「外交官の娘」「オリンダ・トマスの人生における非凡な出来事の奇妙な記録」「ジェイムズ三世」「蜻蛉」「認識」。明らかにマッカーシーの影響を受けた乾いた世界観、ざらつく暴力の傍に生きる人々を描きながら、その構成はボルヘスのように複雑で技巧的であり、これぞ読ませる小説。「外交官の娘」に顕著な、遠く離れた時空間を行き来する際の、語り部のどこか痺れた感じが作品集全体に通底している。ほとんどの作品に物理的な移動が含まれているのもそういった意味合いがあるのだろうか。2024/03/02

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