文春e-book<br> 負けへんで! 東証一部上場企業社長vs地検特捜部

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文春e-book
負けへんで! 東証一部上場企業社長vs地検特捜部

  • 著者名:山岸忍【著】
  • 価格 ¥1,800(本体¥1,637)
  • 文藝春秋(2023/04発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163916866

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内容説明

検察は正義ではなかった
無実の罪によって逮捕され、創業した会社を失い、248日間にわたり勾留された男が、完全無罪を勝ち取るまでの全記録。

●プレサンス元社長冤罪事件とは?
2019年12月、大阪の不動産ディベロッパー、プレサンスコーポレーションの山岸忍社長は、業務上横領容疑で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、以後248日間にわたり勾留された。しかし特捜部の捜査はずさん極まりないもので、一審で無罪。大阪地検が控訴を断念するほどの「完勝」だった。検察の見立てはまったくの誤りで、ここまでひどい捜査は珍しく、第2の村木事件と称される冤罪事件となった。

●上場企業の社長が逮捕されたとき、何が起きる?
プレサンスコーポレーションは東証一部上場、売上2000億円企業だった。その創業社長が逮捕された影響はすさまじかった。株価は急落し金融機関は資金をストップ。瞬く間に会社は危機に陥った。打てる手は自分の辞任のみ――山岸氏は拘置所の中から辞任届を提出。さらにライバル企業のトップと拘置所の面会室で会い、上場企業の売却を進めたのだった。

●録音・録画が明かした密室の取調べ
本書は事件の発端から、山岸氏と、元検事・元判事・刑事弁護の専門家・企業法務の専門家などの最強弁護団が完全無罪を勝ち取るまでを、描出するものだ。特に、大阪地検の証拠捏造事件の結果導入された可視化策により、録音・録画された検事の取調べの様子を、膨大な努力によって解析したことは大きかった。法廷で、初めて密室での検事の取り調べの模様が明らかになったのは画期的だった。そこでは罵倒、恫喝、脅迫まがいの取り調べが堂々と行われていたのだった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

115
プレサンスコーポレーション創業社長の山岸忍氏が、明浄学院事件の業務上横領容疑で逮捕され、長期間の勾留の末に無罪判決を獲得するまでの記録。検察による明らかな冤罪事件である。検察のシナリオを断固として否認した著者は248日間の勾留を余儀なくされる(人質司法)。取調べ可視化が導入されても、検察官の恫喝・罵倒は何ら変わらない。この国の刑事司法の冷たさ・非近代性に背筋が凍る思いがする。同じ大阪地検特捜部で十年前に、村木厚子元厚労省局長の冤罪事件が起ったが、全く同じ構図を繰返して反省すらない組織の怖ろしさを思い知る。2023/06/01

ma-bo

82
大阪の不動産ディベロッパー、プレサンスコーポレーションの山岸忍社長は、業務上横領容疑で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、以後248日間にわたり勾留された。無実の罪によって逮捕され、創業した会社を失った男が、最強弁護団とともに完全無罪を勝ち取るまでの全記録。2024/02/18

R

42
冤罪事件の当事者となった著者による当時の回顧録。検察がどのようにして立件していくかという生々しい当人による記録。見当違いな捜査を無理やり有罪にしようとあの手この手をというストーリーの組み立ては恐ろしいものがあるけども、そもそもどうして間違えたかが、一切わからないのが残念であった。事件については、検察側の弁解が聞けないのでわからないわけで、それよりか、社長の人柄と人生の方が面白そうではあり、その面白さが見誤らせたのではとも感じる。この一件による株価の浮沈被害の方も気になってしまった。2024/02/26

turtle

11
Audibleにて。東証一部上場プレサンスの社長だった山岸さんがかの有名な大阪地検特捜部の初めから結論ありきの捜査で長期間勾留され、その間の検事とのやり取り、その後の裁判の様子を克明に臨場感たっぷりに記述した、まさに魂の一冊。最近読んだ清原達郎さんが経営者としての山岸さんのことを非常に高く評価されていたので読んだのですが、すごいの一言でした。 本書で山岸さんが最後に改めて述べておられますが、もし冤罪で捕まったとしても、とにかく黙秘すべし、との教えは頭の片隅に置いておきたい。 2024/06/05

GOTI

7
☆☆☆☆ルポルタージュは面白い。村木厚労省局長証拠捏造冤罪事件に続く大阪地検特捜部による再度の失態。先の事案で法務省は「検察の在り方検討会議」を設立し、最高検察庁は「検察の理念」を公表するも絵空事だった。東証一部上場プレサンス・コーポレーション社長の高岸は土地買収に関連して業務上横領容疑で逮捕、起訴される。5度の保釈請求も却下され、248日間の拘留を余儀なくされた。弁護団が見たのは特捜部の杜撰極まりない捜査だった。逮捕、起訴から裁判での完全無罪、控訴断念までを詳らかにしている。 2023/09/18

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