古楽の終焉 HIP〈歴史的知識にもとづく演奏〉とはなにか

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古楽の終焉 HIP〈歴史的知識にもとづく演奏〉とはなにか

  • ISBN:9784865592498

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内容説明

過去の音楽をそっくり再現して、どうするのか?
なぜ儀式のように音楽を聴かなければならないのか?
原典至上主義? ──それは「テクスト・フェティシズム」にすぎないのでは?
古楽が追求すべきオーセンティシティとはどこにあるのか?
そして、「HIP(歴史的知識にもとづく演奏)」とは何をめざすものなのか? ──

フランス・ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラなどでオーボエ奏者、リコーダー奏者として活躍したほか、楽器製作や音楽学研究の分野でも多大な実績を残し、2011年に惜しまれつつ世を去った著者が、2007年に発表したThe End of Early Music: A Period Performer’s History of Music for the Twenty-First Century(Oxford University Press)。
音楽史のとらえ方を根底から更新し、クラシック音楽家の意識変革をうながし、返す刀で「原典至上主義」に拘泥する古楽演奏にも疑問符を突きつけた同書は、発表と同時に大きな話題を巻き起こした。
「HIP(historically-inspired perfomance; historically-informed performance=歴史的知識にもとづく演奏)」と「修辞学的音楽(rhetorical music)」の理想を知り、楽譜に書かれた音楽をただ再現するだけでなく、生命力にあふれたパフォーマンスをおこなうために、すべての音楽家がひもとくべき書、ついに待望の完訳!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小鳥遊 和

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著者はアーノンクールの下でバロック・オーボエを演奏した。2011年69歳で没。原著は2007年刊。この本を読むと、楽譜を作曲者が想定した通りに演奏するのは「古典派時代の作品ではほぼ不可能」「バロック時代から前期古典派時代までの特定作品は、文献資料を参照しどうにか可能」「ロマン派時代の作品は20世紀初頭の録音から、ある程度推定可能」ということが分かる。著者が「モダン・スタイル」と呼ぶ現行の楽器と演奏法では、20世紀中盤以降の作品以外のどの時代の音楽を演奏するのにも不十分または誤っているという。(続く)2023/07/30

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