内容説明
不安や悩みは解決しないけれど、解消できる―。
この本は、5000人以上のがんを告知されて不安や悩みを抱えた患者と家族に対話を通じて寄り添う活動を続けている医師が、人生の困難に直面したときに、自分の生き方を見つめ直すきっかけをつかんでもらうことを願って書いた本です。読みやすい小説仕立てになっていますので、自分が、家族が、大切な人が、がんになって不安でたまらない気持ちになったとき、読んでもらいたい1冊です。
目次
ただ、横にいるだけでいい
生きているだけで、必ず誰かの役に立っている
なぜ、私ががんになった?
好きで不良息子になったわけじゃない
病気になっても、病人になってはいけない
今は嵐の毎日でも、いつか必ず凪の日が来る
「寂しい」という言葉が孤独を癒す
医者が、がんになって気づいたこと
正論よりも配慮のほうが大切
人と人が出会えば対立することもある
がんになったことを妻に言わない理由
人には「死ぬ」という最後の仕事が残っている
今の君はもう大丈夫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちみる
9
がんと向き合う患者さんたちの、心に抱える苦しみや悩み… 理解ある医師の心のサポートにより、少しずつ明るさを取り戻していく様子が描かれている。 それらの苦悩や対話を通じて 多くの教訓や、希望を得ることができる作品。2023/08/30
Humbaba
1
がんになるというのは非常につらいことであり、それを受け入れろと言われても素直に受け入れるのは難しい。しかし、いくら受け入れないと言っても、それが現実になるわけでもない。まずは事実を話して、それが本人の責任によるところではないことを伝える。その上で相手が受け入れなかったとしても、その事実を認めていくことで最終的には事実を事実だと理解する。2023/09/13
Hideichi Sekiya
1
天命を知ることの大切さを再認識。 また、だれもが生きているだけで必ず、だれかの役に立っている。。。?2023/08/16
まこ
1
がん哲学外来という診療科をご存知だろうか。初耳の私は、興味深く読破した。がんに罹患した患者が樋野先生の診察室にそれぞれの思いを抱えてやってくる。決してがんを悪者としてのみ取り扱うこと無く、共生であったり自分の人生の見直しだったり前向きな言葉が並ぶ。いや言葉は少なく、寄り添って傾聴することの方が多い。がんを人の一生になぞらえ確率として淡々と話される姿にがんへも人へも愛情を感じられる温かさがある。お会いして一緒に珈琲を飲みたくなった。2023/07/22