ちくま新書<br> 心理学をつくった実験30

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ちくま新書
心理学をつくった実験30

  • 著者名:大芦治【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075444

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内容説明

パヴロフの犬、ミルグラムの服従実験、マシュマロテスト、セリグマンの学習性無力感……。心理学の魅力は、精緻に練り上げられた実験手法と、それがあぶり出す人間の知られざる一面にある。「心」とそれにまつわる人間の活動を科学的に解明することをめざした近代心理学は、その当初から実験研究を重視してきた。本書では、そのなかから広く知られ、大きな影響力を持った30の実験をセレクト。それぞれの実験を心理学の流れのなかに位置づけ、その内容と影響を紹介していくことで、心理学という学問の歴史とその広がりを一望する。

目次

序章 心理学は、いつ、どのように成立したのか/心とはそもそもどういうものなのだろうか/心理学成立以前/哲学と心理学/ヴントとヘルムホルツ/実験心理学の成立/ウィリアム・ジェームズ/本書の構成/第1章 行動主義と条件づけ/アメリカ生まれの心理学者/進化論と心理学/行動主義の心理学/環境主義と条件づけ/実験1 ソーンダイクの問題箱──箱の仕組みを猫は理解できるか/実験2 パヴロフの条件づけ──餌がなくてもよだれが出るのはなぜか/実験3 ワトソンの男児アルバートの条件づけ──恐怖は学習される/第2章 ゲシュタルトと心理学/ゲシュタルト崩壊?!/ゲシュタルトの法則/ゲシュタルト心理学の認識論/洞察による学習/実験4 ウェルトハイマーの運動視の研究──線分が動いて見えるのはなぜか/実験5 ゴットシャルトの埋め込まれた図形の実験──経験は役に立たない/実験6 ケーラーの知恵実験──チンパンジーはどこまで考えるのか/第3章 行動と認知/心なき心理学の限界/認知で何が行われているか/学習における認知の重要性/条件づけから記憶へ/実験7 トールマンのネズミの潜在学習の実験──頭の中では学習している/実験8 バンデューラの観察学習の実験──他者の行動から学ぶことはできるか/実験9 レスコーラの犬の古典的条件づけ実験──動物は確率を計算できるか/第4章 認知と記憶/まずは記憶の研究から/記憶における情報処理/記憶力に限界はあるのか/実験10 エビングハウスの忘却曲線──記憶には法則がある/実験11 記憶の文脈効果の実験──「言いたいこと」がなぜ伝わらないのか/実験12 記憶の処理水準モデル──処理が深いほど記憶に残る/実験13 記憶術者シィーの研究──超人的な記憶力の正体/第5章 認知の誤り/意外にあてにならない人間の認知/論理的な思考の誤り/日常的な状況での判断/自由意志は存在するか/不正確な認知の利点/実験14 ロフタスの誤った記憶──目撃証言はなぜ信用できないか/実験15 タクシー課題──とっさの計算でなぜ間違えるのか/実験16 アロイとアブラムソンの実験──うつの人ほどリアリスト?/第6章 他者と社会/二つの社会心理学/重要な選択における同調/ミルグラム実験が問うもの/同調や服従はなぜ起こるのか/認知的不協和理論と同調、服従/意識内での整合性/ゲシュタルト心理学と社会心理学/実験17 アッシュの同調行動の研究──なぜ周囲に合わせてしまうのか/実験18 ミルグラムの服従実験──人はどこまで命令に従うのか/実験19 フェスティンガーの認知的不協和理論──退屈な仕事ほど価値がある?/第7章 発達と愛着/発達とは何か/児童研究運動の登場と衰退/孤児院問題/アタッチメント(愛着)の発見/好奇心という動機/実験20 ハウロウのサル実験──空腹を満たすより大切なこと/実験21 ストレンジ・シチュエーション法──愛のかたちを測れるか/第8章 発達と知能/感覚‐運動期/前操作期/具体的操作期/形式的操作期/ピアジェ以降の認知能力研究/自然さと説明可能性/心理的な特性を持つということ/自閉症と「心の理論」/追跡研究/IQとEQ/誘惑に抗う能力/実験22 ピアジェの量の保存の実験──自己中心的な子どもの認知/実験23 いたずらなテディベアの量の保存の実験──子どもにとって自然な状況とは/実験24 ウィンマーとパーナーの誤信念課題──「心の理論」の発達研究/実験25 マシュマロテストの追跡研究──テストを受けた子どもたちのその後/第9章 動機づけと無気力/動機づけへの関心/行動主義と動機づけ/環境をコントロールできているという感覚/学習性無力感/人の学習性無力感/目標の持ち方が重要だ/集団の動機づけ/遂行目標と学習性無力感/実験26 デシの内発的動機づけ──アメとムチだけで人は動かない/実験27 セリグマンの学習性無力感──「やる気」を阻害するものの正体/実験28 教育現場における学習性無力感──コントロール感覚が知的意欲を左右する/第10章 教育心理学/教育心理学の誕生/教育心理学とは何なのか?/教える側の偏見/人によってまちまち/二つの要因の組み合わせ/教育法の流行り廃りと心理学/実験29 ローゼンタールらのピグマリオン効果──教師の先入観が学力を伸ばした?/実験30 クロンバックの適性処遇交互作用──適切な教授法は人それぞれ/おわりに/あとがき/引用文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

107
パヴロフの犬、ミルグラムの服従実験などの代表的実験を通して、心理学の対象領域や歴史を解説するとても示唆に富む一冊である。刺激→行動の一元論から、刺激→認知(心)→行動という二元論の認知心理学が隆盛する背景もよく分かった。ただ、自然科学的立場からすれば、心理学の実験の多くは、真理の発見というより、仮説としての自説を検証する手法なのだと思えるし、更に、「心理学領域では0.3~0.4程度の相関係数があれば一定の関係があったとみなす」という記述に首を傾げたくなるというのも正直な気持ちではある。でも、この本面白い。2023/07/26

taku

14
過去は長いが歴史は短い心理学。私でも知っている有名な実験が多いのだが、流れと背景を含めて解説しているので再確認プラス補足となる良書であった。著者は締めで「心理学の将来に対してあまり明るい展望を持てないでいる」と書いている。意外な言葉ではないと思えた。従来の予測、制御による理論では発展が望めないのなら、心理学の将来はどのような方法で科学的に信頼できる意義を示せるだろうか。2023/08/31

じゅん。

7
実験を通して心理学史もさらえる。2024/07/28

qwer0987

7
テーマごとにまとめた実験を通して、心理学の発展を概観しており勉強になる。目を引いたのは、鬱の人は自分がコントロールできる範囲を正確に把握し、健康な人は自己を過大評価しているという話で、人間の精神に対する自己防御を見るようだ。また教育心理学の話も興味深く、特に学習目標と遂行目標の話は参考になる。遂行目標だと自分の能力が低いと分かったとき学習性無力感を得るというのは子育てにおいて得ておきたい知識だ。またピグマリオン効果も併せて覚えておきたい。その他認知や愛着の話も感心しながら読んだ2023/09/25

リットン

7
心理学を時間軸に載せて、思想や主義の変遷を説明してくれている。大学時代の授業はこういうなぞり方をしているよりは、もう少し対象を絞ったものが多かった気がして、断片的だったものを繋げるこういうのも面白いなと思った。まぁ、学生時代はその断片的な知識もない中で時代の流れに乗せて歴史のように心理学を説明されても、つまらなくて(寝ていて)自分の記憶に残っていないだけで、こういう概論的な授業も本当は受けていたんじゃないかって気もすごくするけど。2023/04/16

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