〈男〉の落語評論

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〈男〉の落語評論

  • 著者名:稲田和浩【著】
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  • 彩流社(2023/04発売)
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  • ISBN:9784779170713

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内容説明

《男目線》の落語評論があったっていいじゃねぇか!

落語てなぁ、江戸の富裕な町人の「男文化」のなかで生まれ、
昭和の頃だって寄席では男客が多かった。
いまじゃ女性客のほうが多いが。いけないなんて言いません。
現代文化は女性が作る。

そんなことは百も承知。
落語の噺に関しては、だいたいの作品が男目線で
作られている。
男が作って男が演じ、男とわずかな女性が
聴いていたんだから、しょうがねえや。
それをいまの女性客に受けるように演じるのも
噺家の技だ。

女性にも面白い古典落語を穿ったアングルで論じてみらぁ。

落語評論の目的を次の3つとする。
(1)「落語をひろく世間一般に知らしめる」
(2)「落語家の芸の向上を促す」
(3)「評論を通じて自己表現を行う」。

要するに評論に自らの主張を入れてゆく。
さらには、落語評論を書くうえで留意すべきことは
「落語界のためになる」評論を書くこと、という意見。
五代目柳家つばめは『落語の世界』『創作落語論』の
なかで落語評論について述べている。
いずれも四十年前の本だ。
つばめは当時の演芸評論家たちに
「落語界のためになる評論をして欲しい」と言っている。
「皆が、よいと思っていたものを褒めるだけなら、
それは評判であって、評論というほどのもの
じゃないだろうと思う。「見識が欲しい」とも言う。
そこが重要だ。

「一般の人が見えない、何かを、評論家の優れた
洞察力によって大衆の前にむき出してみせる。
これが値打ちではないだろうか」

落語評論のキモはこれに尽きる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

qoop

6
江戸から昭和にかけて男社会の中で培われた芸能として落語を捉えることで、噺の中に色濃く漂う男目線を抽出し、落語が根ざす社会通念の何たるかを再確認する。〈男〉と云いながら逆説的にジェンダーレスな確信を得られたりする点は、江戸と平成の距離感なのかと思わないでもない。現在の落語家を聴きながらも昭和の名人を重要視する著者の姿勢がただの懐旧ではないというのも納得。ただ第4章だけはそれ以前と印象が異なり、男目線の抽出たり得ていないのではないか、とも。2016/08/17

kaz

0
「男」にこだわる意味はよくわからないが、著者の落語やその他芸能に関する雑学はそれなりに面白い。 2016/09/17

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