内容説明
2021年2月の国軍によるクーデター以降、多くの市民に甚大な被害が出ているビルマ(ミャンマー)。国軍と闘い続ける市民による新しい民主的ビルマは実現するのか。ビルマ近現代史研究者として40年以上この国を見つめ関わってきた著者が、素朴で豊かな人々の日常や文化を心温まるエッセイで描きながら(第Ⅰ部)、現在に至るまでビルマが抱え続けている負の歴史と現実を伝え、日本をはじめとする国際社会の役割を問う(第Ⅱ部)。
【目次】
第Ⅰ部 ヤンゴン大学教員寮にて
第Ⅱ部 ビルマの民主化とわたしたち
・アウンサンスーチーの生き方
・ビルマ 民主化への道のり
・ビルマ民主化の行方
・熾烈な持久戦が続くミャンマー
・危機のなかのミャンマー
・クーデター後のミャンマー
・「絶望」的状況の中の「希望」
・ミャンマーと香港の民主化運動
・隣人としての在日ビルマ難民
エピローグ……学生・市民へのメッセージ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お抹茶
3
1980年代にミャンマーに留学していた頃の思い出や最新のミャンマー情勢などを綴ったエッセイ。留学中のトホホエピソードの中にも,ビルマ式社会主義下でのミャンマー人大学教員の悲哀が伝わる。国軍に対する国民の支持がない理由として,国軍は独立以来70年以上戦闘を続けてきた稀有な政府軍で,自国民を殺害することに慣れ,国民の中に支持基盤を作らなかったことが特徴だと説明する。著者は定年退職を迎えたということで,ビルマ一筋の研究者の軌跡でもある。2023/04/27
クァベギ
1
硬軟あわせもっている本であるゆえに、ビルマに詳しくない私のような読者には手に取りやすい本。特に「軟」の部分は、読んでいくうちに著者の接してきた人たちへの親しみがわいてくる。その「軟」が楽しいだけに、「硬」の部分で触れられているビルマの現在の暗黒面とのあまりのギャップに、暗澹たる気持ちになった。2023/05/09
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