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内容説明
2019年度の中学入試で最多出題作となった『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で講談社児童文学新人賞を受賞、『ハジメテヒラク』で第54回日本児童文学者協会新人賞を受賞したこまつあやこ氏、待望の4作目。
私、本当に影山高校の書道部員になれたんだ。
「いってきまーす。花音も遅刻しちゃだめよー。」
そうして、桜の花びらの残る通学路に踏み出した。六月にはその道を歩かなくなるなんて、思ってもみなかった。(本文より)
父の療養のため急な引っ越しをよぎなくされ、憧れだった第一志望の高校を六月で辞めることになってしまった真歩は
高校卒業検定の準備をしながら図書館の宅配ボランティアをすることに。
ある日真歩は、ボランティアで伺ったお宅で、アラビア書道の流れるような美しい文字「約束は雲、実行は雨」と書かれたアートに魅了される。
目次
プロローグ 5
1 ナイチンゲールの休息 8
2 私だけの時間割り 29
3 ミックスジュースな玄関 48
4 十五周年キャンペーン 65
5 クッキーとスカーフ 75
6 もう一人のお客さん 93
7 テイクアウトの宝もの 116
8 ハチミツ入り紅茶 143
9 卒業証書 161
エピローグ 185
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
90
なかなか面白かった。父親が突然離職し、必死で勉強し入学した憧れの高校を退学することになった真歩。その学校の書道部でやりたいことがあったのだが……ひょんなことから図書館の配達ボランティアをすることになった真歩は本の配達で訪れた老女の家でアラビアの書道と運命の出会い。アラビアにも書道があったんだ!そこからの真歩の実行力と幸運が良い具合に化学変化を起こしあれよあれよと言う間にトルコ人の友だちができ、アラビア書道を習い、新しい道が開ける。馴染みのない宗教について戸惑い、他国の文化に触れ一皮むけた真歩は歩き出す。 2023/05/20
☆よいこ
88
YA。アラビア書道▽高校を3か月で中退し高卒認定試験を目指す16歳の内藤真歩(マホ)は、図書館の宅配ボランティアをする。書道が大好きなマホは、アラビア書道に興味を持つ。父親がトルコ人のユルマズ伶来(レイラ)と友人になり、一緒にアラビア書道に挑戦する▽レイラの弟、千凪(セナ)の写真に心惹かれ好きになっていくマホの心の変化もいい。「約束は雲、実行は雨」=約束するのは簡単だけどそれが実際に実行されるのはごく稀だ。「シュクラン」=ありがとう。良本。2023.4刊2023/07/20
ゆみねこ
81
読み友さんの感想から知った1冊。憧れの書道パフォーマンスがやりたくて猛勉強して入学した高校を父の療養のためにやめて高認を目指すことを決めた真歩。ふとしたことで図書館の配本ボランティアをやることになり、配達先の船島さんの家でアラビア書道に出会う。友だちになったトルコ人ハーフの姉弟、ムスリムのこと。アラビア書道との出会いが真歩を変えてゆく。爽やかで良い本。2023/06/08
ゆのん
76
父親が心の病気になった為、引っ越しする事に。憧れの先輩のいる書道部に入りたくて入学した高校は往復5時間!とうとう心が折れて退学してしまう。そんな主人公が出会ったアラビア書道と新しい友人。様々な新しい出会いに固くなっていた心が解れていく。親の立場で読んでいる私には主人公の両親にとても好感が持てた。悩みながらも一歩一歩前進してゆく主人公の成長も良い。何かの理由で学校へ行けない子供達に読んで欲しい。あなた達はまだまだこれからなんだと、色々な方法があるんだと知って欲しいと思う。2023/05/03
seacalf
67
色々と盛り込まれているが上手にまとまっており、読み心地も終始爽やかな印象。憧れの書道部に入部する為にひたすら努力してようやく合格した高校なのに、父のメンタル不調で急遽引っ越し、高校をやめることになった主人公真歩。ひょんなきっかけから図書館で宅配ボランティアをすることになり、そこからアラビア書道の世界を知る。アラビア文字をはじめ、トルコの文化や料理の紹介、ハラルやラマダンなどムスリムについてもとてもわかりやすく無理なく話に織り込まれている。出来過ぎ感は否めないがY Aなのだからこれくらい夢がある展開がいい。2023/10/25