ハーベスト

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ハーベスト

  • 著者名:花里真希【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 講談社(2023/04発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065305805

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内容説明

人と話すのが苦手で本好きなぼく、彫の深い顔立ちで少し怖かったけど実は優しい虫好き西森くん、いつもユニコーンのぬいぐるみを抱えた長いおさげでアメリカからの帰国子女の先輩アズサ、それぞれの事情を抱えた三人の物語。

書店関係/ポタジェのように自立しながら持ちつ持たれつな3人の姿が清々しく輝いていました。自分も、全ての人との会話を楽しめるタイプじゃなく朔弥の気持ちが痛いほどわかります。フラットだけどあたたかい眼差しの平林先生が物語のなかで3人をやさしく導く灯台のようでとても素敵です。後半の母親との会話には心をぎゅっと掴まれました。心配しすぎるあまりすれ違う思いと、あまりにも自己肯定感が低すぎて相手の気持ちをうまく受け止められないもどかしさ。生きててもいいの?と言わせてしまう切なさはぐさりと刺さります。とにかく、たくさんの人に読んでほしい作品です!

図書館関係/面白くて一気読みしました。先生がいい人過ぎて、こんな先生と一緒に部活したら楽しいだろうなと思いました。名言や名シーンがたくさん。バラバラの3人をうまく繋げてくれて、いい緩和材になってました。部員もそれぞれキャラが違いながらも、ぶつかり合いながら成長してる姿がまぶしかった。各々の悩みを抱えながらも、乗り越えているストーリーは若い読者にも勇気を与えてくれそう。脇役たちもいい人が目立つ中で、主人公のお母さんだけが悪者っぽくうつってしまったけど、やっぱり、ただただ心配してただけなんだ。と分かり合えて良かった。続編希望

レビュアー/黒田くんは自分の意見とは関係なく「より自分にとってのリスクの低い方」を選択しなから生きています。他の部員や顧問の先生とのやり取りが軽快で、物語のテンポも良く孕んでいるバックグラウンドを重く感じ過ぎすに読むことができました。園芸部がいつしか主人公にとって居心地のよい場所になっていく心の機微が細やかです。皆、思い思いに好きな事をして、でももし僕が困ったらきっと二人とも助けてくれるだろう。初めはむやみに人を恐れていたはずの黒田くんが素直にそう感じるようになっていく姿は応援せずにはおられず温かい気持ちに。また表紙の装画はそれぞれ自由に好きな方向をじっと見つめているが実は軸足はしっかりとポタジェのある花壇を踏んでいて彼らにとっての園芸部そのものを表しているようです。

レビュアー /3人の関係が、植物の成長とともに変わっていくさまがいい。彼らの活動を追体験することで自然と理科が学べてしまうのもこの本の魅力。アブラムシのびっくり生態や、害虫に益虫をぶつける工夫、相性のいい植物の存在など、好奇心をそそる知識が山盛りでしたよ。

目次

もくじ
1園芸部
2帰国子女
3おじいちゃんの遺品
4園芸部はお金がない
5種
6それぞれの事情
7初収穫
8台風一過

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chiaki

23
他人とのコミュニケーションが苦手、母親は過干渉で全てを否定されているように感じ、自己肯定感が低い朔弥。担任の薦めでとりあえず入部した園芸部には、帰国子女で周囲から煙たがられている2年生のアズサと、一匹狼で近寄りがたい西森くんがいて…。性格もバックグラウンドも全然違う凸凹な3人が園芸を通して成長してゆく姿が青春!この3人の関係がまさにポタジェ!自分の居場所を探し続けるアズサも、友人から心無い偏見を受けながらも飄々とたち振る舞う西森くんも、魅力的な中学生。影ながら活動を支えるひらりんこと平林先生も素敵でした。2024/06/13

まる子

23
#NetGalley 幼い頃から人とうまく話せない朔弥。中学生になり、担任が顧問の3人だけの園芸部に入部!シングルマザーでブラジル人の血を引く西森くん、帰国子女で2年生のアズサとともに花や野菜を育てるうちに、朔弥の心もしっかり育っていったと確信。3人がそれぞれの個性を持っているからこそ、人を思いやり、尊重できる関係を気付けている様子は「君たち、ステキだよ」と言いたい!人それぞれに個性があり、それがどこで開花するかわからない。思春期だから悩みも絶えないけれど、自分を肯定するって大切だな〜✨YA。2023/04/11

tomtom

17
倒れてしまったとうもろこしの苗を起こしてはいけない話がよかった。母も息子も友達もそれぞれひとつ前に進めたことがよかった。何も考えていないようで先生がみんなを結びつけてくれたと思う。2023/10/28

joyjoy

16
中学校の園芸部に入った三人。土づくり、種選び、発芽を待つ、水やり、草取り、虫対策、台風対策、収穫を急ぐ、…手をかけ、目をかけ、心をかけ、それでも自分の力だけでは及ばない、自然の、命の力に、美しさに感嘆し、そこに自分を、仲間や家族を、世界を、重ねて見ることができるようになっていったらすてきだね。 「でも、ぼくは、優ちゃんを図書館に誘ってよかったと思ってる。誰かが自分を待っている場所があるというだけで、少し心が軽くなると思うから」。サクヤのこの言葉、「でも」に彼の成長を感じた。2023/10/13

ほのぼの

14
場面かん黙症気味の中一男子。過干渉の母親がうざい。でも、幼い頃から人前でしゃべらない息子を 心配するなって言うほうが無理!って、母親目線で読んでしまった。2023/09/23

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