内容説明
あの本の、あの一杯が、気になってしかたがない!
文学のとなりには、いつもお酒がある。
『茄子の輝き』のレモンサワー、酔わない山本周五郎、センセイの美しいお酌、太宰治とりんご酒、『しらふで生きる』、武田泰淳が助手席であける缶ビール、内田百間の「お酒運」、名前はまだない「猫」が飲んだビールの味……。
ツボな選書で味わうおいしいブックエッセイ!
★★★
『BOOKSのんべえ』は、
おいしいお酒と、ぐっとくる肴、
のんべえと、のんべえにひとこと言いたいひとの登場する、
小説と随筆を集めた本屋さん。
なにかと極端にふれがちなお酒との、
「ちょうどよい距離」を探して、
今日も店主はページをめくっています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
38
“のんべえをとろかすお酒は、下戸の心を凍らせる。” 呑む人と呑まない(呑めない)人の間には、深い深い淵があると個人的に思う。つい1週間前の職場の歓送迎会で凍ってきたばかりだ。本の中で旨そうに酒を酌み交わし、肴をつまむシーンを、本当の意味で私はわかることはないのかもしれない。二日酔いもまた同様に。それでも、読まずにはいられないブックエッセイ。川上さんの『センセイの鞄』、森見さんの『夜は短し歩けよ乙女』、町田康さんの『しらふで生きる』が紹介されていて嬉しい。江國さんの『神様のボート』やっぱり読まなきゃ。2024/04/13
kawa
28
小説に描かれる酒の様々を切り口に…。既読の「青べか物語」の部分は興味深く、織田作之助、林芙美子がそれに続くか。書籍選びの杖としてはいいかも知れませんね。町田康「しらふで生きる」、武田百合子「冨士山」、武田泰淳「新・東海道五十三次」は機会があれば手に取りたい。2023/06/01
みなみ
20
お酒や飲酒シーンが登場する本を紹介するガイド本。最近の作品から古典まで幅広く紹介されていて、読んでみたくなる本が沢山あった。例えば、金原ひとみさんの「ストロングゼロ」はそのままストロングゼロにフォーカスされていそうなのが楽しそうだし、村上春樹さんの「風の歌を聴け」ではビールがあまり印象に残っていなかったので、読み返したくなる。2024/04/11
野のこ
20
表紙が好み。こうゆう雰囲気大好き❤柴田さんの「2時間8杯」さすがにのんべいの自分でもおおーーってなった。アサヒスーパードライが潔いって昔はエビスだったっけどなんかわかる気がする!村上春樹さんののビールの「なにも残りゃしない」信じてもいいですか🥺江國さんの「神さま〜」シシリアンキス気になった。幸福になれそうな味って2023/07/03
りすちゃん
20
お酒×文学=最強!!!お酒について、のんべえについての論文です。(エッセイです)キリッとして洒落たおつまみのような素敵なエッセイ。それこそおつまみをちびちび食べ、日本酒を舐めるような感覚で読了しました。 出てくる作品も話す内容もわたしにとっては大分昔の時代でしたが、むしろ知らないことばかりでワクワク。お酒を飲む、だけじゃなくてお酒を読むっていいなぁ…とても良い。紹介されている小説も読んでみたいな。 そして禁酒小説やらのんべえファンタジーやら聞いたことのない言葉もお気に入り。また絶対に繰り返し読む作品です。2023/04/27