内容説明
エベレスト山頂を眺めながら、この瞬間は二度と経験できないんだと思った。泣きたいくらい苦しいのに、それでもまたこの空間に身を置きたいと感じた――。旅を続けるのは自分の身体で世界を知りたいから。ガンジスの河口でカレーを味わい、カナダの森で松の香りをかぎ、知床の山でヒグマの足音を聞く。未知の風景を求め、そこだけに輝く一瞬を、撮って、繋げた、かけがえのない7年の記録。 ※書籍版のモノクロ写真を、電子版ではカラーで収録しています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nonpono
80
石川直樹とネパールのシェルパのテレビを見て感動。石川直樹を認識したのは、20代。世界七大陸最高峰登山の当時の最年少記録を塗り替えたニュース。野口健がこの記録の挑戦である大学の一芸入試に受かった。そんな記録のがあるのかとインパクトが残ったのだ。本書は石川直樹の35才から42才の旅の記録。願わくば旅先で読みたかった。カイラス、カンチャジェンガ、当時のわたしが憧れた山の名を久しぶりに聞く。心地よい旅の本。旅を美化しないでそのときに正直でまっさらで。10代の石川直樹が野田知佑に将来を相談する話がまたすこぶる良い。2025/02/16
佐島楓
71
写真家である著者の紀行文。ずっと穏やかな気持ちで読み進められたのは、著者の人柄と旅する土地や人々への愛情ゆえだろうか。チベット奥地など、標高の高い場所に赴き登山なさることが多いようだが、東京に帰ってくるとかえって体調を崩すというところに、どちらが正しいとか間違っているとかいう問題ではない、人間の順応性や暮らしの課題を感じた。わたしはせいぜい数百メートルの山しか自力登山したことがないので、死に肉薄するような行動を取っているかたの心理には興味がある。2023/05/23
chantal(シャンタール)
49
ほとんど遠出をしなくなってしまってから早4年半。人生つまんなくなっちゃったなあと、改めて思った。アラスカやロシアやヒマラヤにはおいそれとは行けないけど、やっぱり旅っていいよね。全く異なる文化の中で生きる人たちや、未知の世界との遭遇、こうして本の中でだけでも経験出来た気がして楽しかった。なんでも楽しむ人が勝ちだよね。体が動かなくなる前に、色んな所へ行ってみたい。素敵な本だった。2026/04/30
piro
40
写真家であり登山家でもある著者の地球各地を巡るエッセイ。毎年通うと言うヒマラヤに多くのページが割かれている他、日本各地の旅もあり、様々な土地の空気を感じられる濃密な一冊でした。特段美しい文章ではないものの、視界の片隅に映るちょっとしたものや、ふとした人の行動などが語られることで、情景が目に浮かぶのが良い。ヒマラヤの高峰でタバコを吸うシェルパのエピソードが印象的な『標高8400mのポイ捨て』、懐かしい越川温泉が舞台の『無人温泉』が心に残りました。国東半島の話がちょっとしか出てこなかったのは残念。2023/07/24
100
35
写真家石川直樹の旅行記と日記の中間の様な。2023/05/27




