内容説明
トランプ前アメリカ大統領を僅差で破り、2021年1月に就任したバイデン大統領。就任2年目を迎え、バイデン政権は内政・外交ともになにを目指すのか? 超大国アメリカの実像を気鋭の研究者が読み解く、アメリカ研究の最前線。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
19
2022年4月刊。急逝したアメリカ専門家、中山俊宏さんの論考「バイデンの非・世界観外交」を収める。バイデンは外交通とされるが、直感(gut instinct)に基づいて判断する傾向が強いとも指摘される。長いキャリアを通じた一貫性は、「民主党の主流派の対外政策に関する感覚を察知し、それに基づいて『外交通』としての影響力を発揮してきた」ことだ。この本は多くの専門家の論考からなるが、ロシアのウクライナ侵攻はあとがきで触れているだけのようだ。国際政治の分野でタイムリーかつ学術的な出版をするのは大変だ。2022/05/28
PETE
2
バイデンの外交が、ミドルクラスという、現代アメリカにおいて実体が乏しい層をターゲットとして、貿易における自国産業保護、世界の警察的役割からの撤退など、欧州との関係修復以外あまりトランプ外交から大差ないコースになるだろうという分析が多い。刊行と前後して、ロシアのウクライナ侵攻という予想外の出来事が出来し、冷戦を知るバイデンの底力が発揮されているのだから、時事的な論文集の難しさが感じられる。2022/08/12
papahaba
0
バイデン就任後1年時点のアメリカ外交を、過去外交経緯・戦略等から対中国戦略を中心に複眼的に分析。2023/04/28
dama
0
アメリカファーストを掲げるトランプ外交からの相違と引き継ぐ点、ミドルクラスのための外交。アジア重視・中国シフトの潮流の中で、ロシアによるウクライナ侵攻が起こった。日本、欧州は同盟国としての役割を再検討しなければいけない時代に。2022/10/10