内容説明
「国家安全保障+経済」は目下の産業界でのトレンドである。本の表題「DIME」は、経済と政治の融合から世界の動向を読み解く手法を指すが、本書はインテリジェンスの研究者として著名な著者が、日本の現状や昨今のウクライナ戦争、米中対立といった海外動向も踏まえ、その最新理論をまとめる一冊となる。この考え方を知るだけで、誰もが国際情勢を踏まえたうえで経済の未来を読み解けるようになることを目指す。企業にとっても、国民にとっても、今まさに知るべきグローバルな重要事項を本書を読むだけで網羅できる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
43
脚光を浴び始めている経済安全保障を理解することができる本である。DIMEとは外交・インテリジェンス・軍事・経済の頭文字であり、従来バラバラに運用されていたために十分な効力を発揮することができなかった。著者はこれらをどう学んできたかを自身の半生を明らかにすることで、なぜこれらを統合的に考えていく必要があるかについて明らかにしている。本書の特徴の1つは政治家に対して是々非々の立場で論じている点だ。保守でもリベラルでもこれができる人は少ないが、こうした観点を学び取れるという点でも本書を読む価値があると思う。2023/10/02
tomo
13
☆☆☆☆ 出来るはずもないのに、一部の国に対して“断交だ!”と叫んで気持ちよくなっているだけでは、相手をどうやったら上手くコントロールできるかという困難な課題から逃げているだけだ。著者の先生の言葉が胸に響く、たしかに。DIME(D:Diplomacy 外交,I:Intelligence 情報,M:Military 軍事,E:Economy 経済)という考えがいかに大事か。また🇯🇵が、その考え方で動いている世界に近づいている事もわかった。2023/04/22
いっちょらるれ~
6
すらすら読める章となかなか頭に入ってこない章がありました。何度も読んで世界を読み解く力がつけばと思います。江崎先生の学生時代のお話は江崎ファンとしては興味深いものでした。外交、インテリジェンス、軍事、経済を常に考えこれからの混沌とした世界を見て行きたいと思います。2023/07/04
紫砂茶壺
4
外交・諜報・軍事・経済(金融)を駆使して国益を追求することが主権国家にとって重要というような主張で、それはもっともなことだとは思うのだが、時事問題を取り上げた具体的な事例がそれほど展開されているわけではないので参考にはならなかった。戦後の日本には諜報を担当する機関がごっそり抜けており、各時代の内閣がそれをなんとか補完しようとしてきたのだということもわかったが、それを一般の読者としてどう受け止めて日々の仕事の中で何をすべきかというのもよくわからず、なんだかモヤモヤが残る本だった。2023/04/09
Katsumi
3
感情の時代にあって冷静に状況を分析し情報を活用し巧みに国家を運営することの大切さがよくわかった。2023/09/28