内容説明
東北三大霊場の金華山には黄金が埋められている!?
黄金伝説に満ちた金華山黄金山神社で一年で最も重要な初巳大祭の日の朝に、こともあろうに宮司が行方不明となり、やがて遺体となって怨霊伝説もある千人沢で発見された。
さらに別の男が、数百匹のまむしがとぐろを巻くホテル廃屋で見つかった。
この事件は金華山に埋められているという黄金をめぐる、絶海の孤島を舞台にした密室連続殺人なのか?
絶世の美女である宮司の娘と、千五百年前にシルクロードで出会ったというイケメン東都大学講師今野との間に秘められた約束とは?
天平年間に東大寺大仏を金色に輝かせたという日本初の黄金を掘り当てた人物の本当の目的は何だったのか?
そして宮司が握りしめていたダイイングメッセージの秘密とは?
執拗に黄金を狙う畿内朝廷に抗して、四百余年間を逞しく生き抜いた日本の歴史上まれにみる古代東北の人々の勇姿とともに、ここには現代に蘇る数々の黄金伝説と、それらをめぐる人々の欲望と絶望と希望が、その中心地である金華山を舞台に描かれている。大震災や大津波、豪雨災害、戦争などで故郷を失った人々の、時空を超えた本当の黄金の地下鉱脈はどこにあるのか?
本書は金華山の黄金伝説をめぐって展開される、大人のための黄金歴史教養ミステリーである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さんつきくん
6
小説というより、8割方教科書を読んでる感じ。引用文は適宜、適切な長さで挿入されるものだが、全部いれちゃってる。結構脱線してたから、着地点は大丈夫か?と心配になる、根気のいる読書となりました。舞台となる金華山はほぼほぼ地元。女川から定期船で金華山の黄金山神社にお参りに来た、登場人物。ところが、神社の宮司とその息子が遺体となって発見されたから、事件が始まった。島内での密室事件に登場人物の思惑も交差する。金華山に金は眠っているのか、時空を越えたロマンスはあるのかという、ロマンを抱かせる内容ではあったが。2024/01/08