内容説明
五十年の時を越えてミステリー界で多くの支持を集める、
西村京太郎初期作品中傑出の名作!
あなたにはこのトリックが見破れますか?
都内で起きる連続強盗事件。東北の雪に閉ざされたホテルに無料で招待された6人の若い男女。強盗事件は双子の犯行とわかっていながら、兄弟どちらが実行犯か、警察は立証できない。一方、陸の孤島と化したホテルでは密室殺人事件が起きる。そして再び……。あざなえる縄のごとくに並行する二つの物語は、どこでどう結びつくのか!?
解説 有栖川有栖
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『殺しの双曲線』は1971年11月、
実業之日本社ホリデー・フィクションの一冊として書き下ろされ、
初版刊行された作品です。
本作は実業之日本社における西村京太郎氏初の著作であり、
氏にとって十二冊目の著作でした。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちゃん
45
ウン十年ぶりの再読。後半ようやくおぼろ気に思い出すも、最後までワクワクしながら一気読み。有栖川さんが後書きや帯に書かれている通り、まさに「傑作は、名作の座に着いた」。時代的に仕方のない表現を除けば、確かに今月の新刊と言われても通用するほど本格ミステリとして読み応えたっぷり。散々使われてきた双子トリックも、その大胆な使い方に驚かされる。携帯やネットもない時代ならではのもどかしさが、逆に読み手の真相を求める気持ちを加速させる。初読は中高生の頃。そりゃあ、これを読んでミステリファンにならないほうがどうかしてる。2023/05/28
ぐうぐう
37
冒頭、作者の言葉があり、そこで「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです」と明かされる。フェアであろうとする西村京太郎のミステリ作家としての矜持と、本作における自信が滲み出た言葉だ。事実、『殺しの双曲線』は非の打ち所がない本格ミステリであり、しかも傑作なのだ。愛蔵版の帯に寄せられた錚々たるミステリ作家達の賛辞は、まるで大袈裟ではなく、この作品のクオリティの高さを真っ当に評価したものだ(特に斜線堂有紀の推薦文は、首がもげるほど頷ける)。(つづく)2023/04/28
だるま
19
50年以上前に新書判で出て、文庫、再び新書判、と様々に判を変えた名作の愛蔵版。勿論、西村さんは故人だから加筆修正は一切無く、多くのミステリ作家の推薦文と、有栖川有栖さんに寄る丁寧な解説がこの愛蔵版に彩りを添えている。作品自体をもう何度読んだか忘れたが、これもじっくり再読した。冒頭で著者が、双子トリックを使っていると宣言。そうする事で読者にフェアに挑戦する心構えなのだが、既に用意周到であるのが最後に判明する。感動すら覚える本格ミステリであり、『そして誰もいなくなった』の最も優れたオマージュでもある。大傑作!2023/06/25
うみ
15
かねてから読みたい読みたいと思いつつ、買わずにいた(笑)。愛蔵版の出現にこれだ! と天啓を受けて買いに走ったが、なかなか読まず(笑)。遂に今日ページを開き始めたらそのまま超特急で読破。て言うか、超特急読みせざるを得ない。推理している時間が惜しいほどに先が知りたくて知りたくて仕方がない。なにこれ傑作としか言いようがないじゃんと叫ぶ夜。ああでも一気読みして良かった。途中てやめるなんてできないネムレナクナル……2023/05/29
ドットジェピー
6
面白かったです2023/05/06