ちくま文庫<br> O・ヘンリーニューヨーク小説集 街の夢

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ちくま文庫
O・ヘンリーニューヨーク小説集 街の夢

  • ISBN:9784480438508

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内容説明

短編小説の名手O・ヘンリーの才能は、20世紀初頭のニューヨークで花開いた。浮浪者、探偵、ショップガールに恋人たち……その作品では、人びとの人生の一齣が見事に描き出され、120年前のニューヨークがいきいきと蘇る。「賢者の贈り物」「最後の一枚」を含む小説23編、さらにパヴェーゼ、ザミャーチンの評論も収録。時代背景がわかる解説や挿絵のほか、絵画もカラーで収録した充実の第2弾。

目次

警官と賛美歌/ゴム族の喜劇/キューピッドの王子と大時計/アイキー・ショウエンスタインの惚れ薬/探偵たち/天気のチャンピオン/円を四角に/愛の苦労/コスモポリタンはカフェで/巡回の合間/この街の声/真夏の騎士の夢/幻のブレンド酒/終わらない話/ネメシスと菓子売り/恐ろしい夜の都/成功の査定者/「罪人」は/感謝祭の二人の紳士/カクタス・シティからの買い付け人/屑レンガ街/賢者の贈り物/最後の一枚/O・ヘンリー論 エヴゲーニー・ザミャーチン/O・ヘンリー、あるいは文学的なトリック チェーザレ・パヴェーゼ/解説 青山南/訳者一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nami

14
見たこともない20世紀初頭のニューヨークの街並みが、夢のように頭の中に浮かび上がる。目紛しく変わる情勢の中で、流行の波に乗り遅れまいとする人々の熱量に圧倒された。風刺的でシニカルな作品が多いと感じたが、人情味のあるほっこりとする作品もちらほら。中でも「愛の苦労」や「感謝祭の二人の紳士」が心に残った。例え貧しくとも今日を生きることに全力で、誰かの為に真心を捧げることができる。その姿勢に胸を打たれた。フェミニズムを扱った作品も幾つかあり、「ネメシスと菓子売り」など逞しく生きる女性の姿も印象深い。2024/04/15

ハルト

12
読了:◎ 「街の夢」と副題があるように、どこか夢がしゃぼん玉のように弾けて、人々の笑いや悲しみを生み出しているように思える。▼短いけれど、その実はぎゅっと締まってる、悲喜こもごもが詰まった掌編たち。20世紀初頭のニューヨークの風俗が描かれていて、街で花開いた老若男女の人生を思い浮かべるのは容易い。そこには喜怒哀楽が存在したのだという、諧謔の味の効いた思い出が刻んである。たしかにくり返されるとパターン化し、新味は落ちるけれど、それでも求められているのだという、著者への愛が解説にはあった。2023/04/20

YOMIPITO

6
第一弾に比べ、風刺色が強い。主人公は田舎出だったり、天使が出てきたりと恋愛コント色は少な目。 憶えてた話は「警官と賛美歌」「最後の一枚」「賢者の贈り物」「感謝祭の二人の紳士」。マンガや少年少女向けで触れてたのか、今読むと印象が新鮮。今回のマイベストは「屑レンガ街」。 しかし…、横領で服役経験もあるとはオー・ヘンリー自体不思議な作家だ。オー・ヘンリーが主役の映画や小説があっても良さそうなくらい。2023/04/30

夕暮

4
本日開催の読書会課題本。相変わらずの遅読でやんなる💦とはいえ、Oヘンリーをこんなにちゃんと読む機会もないので良い時間でした。ワンパターンだったり、登場人物の思考が短絡的だったりするところもあるけど、その当時のNYに生きる市井の人々の生活が垣間見られ興味深い。語り口が落語のよう。2024/01/20

tomo6980

4
スウィフトやトゥエインのようなユーモリストは晩年にペシミストになる、という話があるけれど、おそらく若いころには覆い隠せていた道徳家としての本質があきらめと共にあふれてしまうからなのだろう。『終わらない話』や『「罪人」は』などを読むとO・ヘンリーもそうだなと思う。そういうモラリストとしての資質とプロットの巧みさが絶妙に結びついたのが『賢者の贈り物』であるかも。もう、何回読んだかわからないくらいだけれど、今回はじめて感動してしまったのだ。クリスマスのおかげで照れ隠しのジョーク無しというのがなんとも素敵。2023/01/02

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