山と溪谷社<br> クジラの歌を聴け 動物が生命をつなぐ驚異のしくみ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader

山と溪谷社
クジラの歌を聴け 動物が生命をつなぐ驚異のしくみ

  • 著者名:田島木綿子
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 山と溪谷社(2023/04発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635063296

ファイル: /

内容説明

ザトウクジラは、なぜソングを歌うのか?
テングザルの鼻と睾丸の不思議な関係 バビルサの牙はなぜ伸び続ける?
ヤギの交尾が一瞬で終わる切実な理由 なぜクジラはみんな逆子なのか?
アザラシの母乳に脂肪が多いのはなぜ?
ヒトはもともと難産になりやすい--。

求愛の悲喜こもごもから交尾の驚くべき工夫、妊娠・出産の不思議、環境に適応した多様な子育ての方法まで、あまり明るみに出ないけれど実はめちゃくちゃ面白い、繁殖・生殖のはなしを語る。
海獣学者・獣医として海陸両方のさまざまな哺乳類に触れ、解剖学の知識をもつ著者ならではの経験と視点が満載。
読んだあと、生命の不思議と大切さを感じずにはいられない一冊。


■内容
1章 クジラの歌を聴け~海の哺乳類の求愛戦略~
2章 ゴリラの背中を見よ~陸の哺乳類の求愛戦略~
3章 ヤギの交尾を見逃すな~オスの繁殖戦略~
4章 イルカは逆子で産みたい~メスの繁殖戦略~
5章 仔ゾウは、笑う~子どもの生存戦略~

■著者について
田島 木綿子(たじま・ゆうこ)
国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹。
筑波大学大学院生命環境科学研究科准教授。
博士(獣医学)。1971 年生まれ。
日本獣医生命科学大学(旧日本獣医畜産大学)獣医学科卒業。
学部時代にカナダのバンクーバーで出合った野生のオルカ(シャチ)に魅了され、海の哺乳類の研究者として生きていくと心に決める。
東京大学大学院農学生命科学研究科にて博士号取得後、同研究科の特定研究員を経て、2005 年からアメリカのMarine Mammal Commission の招聘研究員としてテキサス大学医学部とThe Marine Mammal Center に在籍。
2006 年に国立科学博物館動物研究部支援研究員を経て、現職に至る。
海の哺乳類のストランディング個体の解剖調査や博物館の標本化作業で日本中を飛び回っている。
本書では獣医学の知見を活かして海と陸の哺乳類を対象に繁殖戦略を語り尽くす。
著書に『海獣学者、クジラを解剖する。』(山と溪谷社)ほか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

77
『海獣学者、クジラを解剖する』を書いた著者の第2弾。動物たちの体の特徴からみたオスとメスの求愛戦略、繁殖戦略、生存戦略のふしぎ大発見。背ビレの大きさでセっクスアピールするシャチ、ソングを奏でるザトウクジラ、ゴリラが自分の胸を叩き競争相手の戦闘能力を見積もらせる「ドラミング」行動、発情したメスに反応するオス馬のフレーメン反応、など盛り沢山。クールなメスに、オスの必死な求愛。同じ哺乳類として人間にも共通する部分があるようだ。面白い。2024/04/18

きみたけ

61
面白かった。著者は国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹で獣医の田島木綿子先生。以前「海獣学者、クジラを解剖する」でクジラのストランディング調査の本を読んで面白いなと思いました。今回はクジラの生態についての続編の本かと思いきや、海の哺乳類と陸の哺乳類の工夫に満ちた求愛戦略と繁殖戦略(生殖器と交尾)、動物の子どもたちの生存戦略について紹介した本でした。動物行動学の視点に加え、解剖学から見た動物の体の特徴や戦略について分かりやすくかつ面白く解説。前著に引き続き芦野公平さんのイラストが良いです。2024/02/10

ちゃま坊

17
読んでいる途中で田島先生のラジオ番組出演があった。今も高知県でマッコウクジラが下田でイルカが漂着したと言う。最近マスコミへの露出度が多いということは、海で何か起こっているのか。ザトウクジラの求愛の歌の話から、今度は陸の哺乳類のオスの生殖器とメスの乳首にも言及する。本書によって安住アナのPは筋海綿体型と判明した。家畜については情報量が多いが、その他多くの動物の比較解剖学は知らないことばかりだ。奥が深いし種類は多いし、これに生理学や医療のことまでやるとなればたいへんだ。2023/05/01

えりまき

15
2023(320)2023年カハク海展のトークイベントでのお話がとても興味深かった田島さんの本。動物たちの生き残り戦略について、とても勉強になりました。イラストもかわいい。ザトウクジラの求愛ソングは3000キロメートルを超えて鳴り響くのだそう。スゴイ!「繁殖において、配偶者の選択理由や配偶者選びでの闘争の際には欠かすことのできない工夫や戦略、適応を成し得た生物(個体)は生き残り、子孫を残すことができる。そして適応できなかった生物(個体)は滅びていく。この現象を『性選択(性淘汰)』という。」 2023/11/11

hitomi

12
クジラだけでなく、いろんな哺乳類の性や繁殖についての本です。冒頭から面白くて笑ってしまいました。著者は研究者なので、描写は生々しい感じではなく、淡々としていてわかりやすかったです。理解を助けてくれるイラストも豊富です。求愛戦略から始まって、オス・メスそれぞれの繁殖戦略、そして子どもの生存戦略について述べられています。生命をつなぐために、動物たちはさまざまな進化を遂げたことがよくわかりました。でもまだわかっていないことも多いみたいです。それにしてもラッコやヤギ、ライオンの交尾が衝撃的で、非常に驚きました。2023/07/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20679052
  • ご注意事項