日本経済新聞出版<br> バブルの世界史 ブーム・アンド・バストの法則と教訓

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日本経済新聞出版
バブルの世界史 ブーム・アンド・バストの法則と教訓

  • ISBN:9784296113644

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内容説明

■なぜ、ブームとバストは何度も繰り返し生じるのか? なぜ、あるバブルは経済的にも社会的にも政治的にも壊滅的な結果をもたらし、なぜ、あるバブルは社会に恩恵をもたらすのか? バブルを生み出す必要十分条件とは何か?
■この答えを見つけ出すために、本書は魅惑的なバブルの旅へと読者を誘う。1720年代のパリとロンドン、1820年代のラテンアメリカ、1880年代のメルボルン、1920年代のニューヨーク、1980年代の東京、1990年代のシリコンバレー、2000年代の欧米、上海・深センへの旅だ。  
■金融史・経済史の研究者が、「合理性」「不合理性」という従来の議論にとらわれず、バブルの規模、経済全体への影響の度合いを基準に、世界史上の巨大バブルの原因と帰結を明らかにし、教訓を指し示す。そしてバブルには、イノベーションを促し、企業や組織、経営者を淘汰し、社会に恩恵をもたらす「良いバブル」もあると説く。
■さらに、バブルは投資家、投機家が新しい技術や政治的なイニシアティブに反応することから始まるとし、将来のバブルを予測できることも示す。実証的なアプローチでバブルのメカニズム解明に迫る魅力的なバブル論。

目次

第1章 バブル・トライアングル

第2章 1720年とバブルの発明

第3章 市場性の復活――第一次新興市場バブル

第4章 投機の民主化――大いなる鉄道狂

第5章 他人のカネ――オーストラリアの土地ブーム

第6章 ウィーラー・ディーラー(大金を賭ける人たち)――イギリスの自転車熱

第7章 狂騒の1920年代とウォールストリートの暴落

第8章 政治の意図的バブル興し――1980年代の日本

第9章 IT(ドットコム)バブル

第10章 「ブームとバストはもうたくさん」――サブプライム・バブル

第11章 中国的なカジノ資本主義

第12章 バブルを予測する

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よしたけ

57
バブル要件=市場性①売買容易さ②資産分割性(上場株式は住宅より市場性高い) ③買手や売手を見つけ易い(美術品は潜在買手プール小さく低市場性)④資産移転容易さ(金融革新でこれが促進)等。英国鉄道株ブームの功罪、19世紀初の自転車バブル(タイヤ性能が著しく改善し女性社会進出に一役買う)、税制改正による1980年初の特金ブーム、素人投資家が役割を果たした中国バブルなど興味深い。バブル対峙のためには、金融経済のみならず社会学、技術、心理学、政治学、歴史等を学び投資家のメンタル・モデルを理解すべしと。容易ではない。2023/07/31

よっち

32
バブルには良いバブル、悪いバブルがある。金融史・経済史研究者が、世界の巨大バブルの原因・帰結を分析、バブルの普遍的な法則を明らかにし、次のバブルに警鐘を鳴らす一冊。なぜブームとバストを何度も繰り返すのか?壊滅的な結果をもたらすバブルと社会に恩恵をもたらすバブルがあるのか、1720年代のパリとロンドン、1820年代のラテンアメリカ、1880年代のメルボルン、1920年代のニューヨーク、1980年代の東京、1990年代のシリコンバレー、2000年代の欧米、上海・深圳といった事例からの考察は興味深かったですね。2023/05/07

ゼロ投資大学

4
バブルには人類の歴史の様々な場面で発生し、例外なく崩壊してきた。人々はバブルに狂乱し、熱狂が頂点に達した時に弾けるのだ。長い歴史の中で、意図的にバブルが作られてきたことが語られるのが興味深い。これまでバブルは何度も起こってきたし、これからもバブルは何度も起こるだろう。その時に我々がバブルにどのように向き合うべきかを示してくれる。2023/05/17

かも

1
★★★☆☆バブルトライアングル(市場性、通貨と信用、投機)。市場性=合法、分割されたもの、買い手や売り手の見つけやすさ。通貨と信用=低金利と緩和的な信用状況。投機=キャピタルゲインだけを目的にした資産の購入。火花は技術革新と政府の政策。2024/01/12

めめほめ

1
新Nisaも開始するので、バブルについて学ぼう企画。バブルというのでなんとなくマネーの匂いのするギラギラした読み心地かと思ったら、学者さんたちなのでクールにバブルは市場性、通貨または信用、投機のバブルトライアングルに、政府か技術の火花が加わるとバブルが発生するというメカニズムを、歴史上のバブルを例に説明してくれている。現在の証券規制などがいつのバブルの反省に基づくものかわかるのも面白かった。2024/01/01

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