アメリカ黒人女性史 - 再解釈のアメリカ史・1

著者名：ダイナ・レイミー・ベリー/カリ・ニコール・グロス/兼子歩/坂下史子/土屋和代

勁草書房（2023/04発売）

• ISBN：9784326654383

内容説明

奴隷制度確立以前から現代に至る黒人女性の多様な経験を彼女たちの声に基づき活写。黒人女性「について」ではなく黒人女性の「視点」から、アメリカの位相を多面的に映し出す。人種やジェンダー、セクシュアリティを歴史叙述の不可欠な構成要素と位置付け、周縁化された人びとの視点から書き直した「再解釈のアメリカ史」第一弾。NAACP（全米黒人向上協会）イメージ・アワード2021候補作、アメリカ歴史家協会（OAH）ダーリーン・クラーク・ハイン賞 特別賞受賞。

目次

日本語版の読者のみなさまへ
著者の覚書
凡　例

序　章　ナニーの遺産──黒人女性の様々な歴史

第一章　イサベルの探検──一六一九年以前の北米における黒人女性の自由

第二章　アンジェラのアフリカからのエクソダス──環大西洋奴隷貿易の時代、一六一九～一七六〇年

第三章　ベリンダの請願──アメリカ革命・建国期の黒人女性たち

第四章　ミリーとクリスティンの興行──奴隷制の拡大、一八二〇～一八六〇年

第五章　メアリーのエプロン──南北戦争と奴隷制の終焉、一八六〇～一八七六年

第六章　フランセスの性別──黒人女性の時代の夜明け、一八七六～一九一五年

第七章　オーガスタの粘土──移住と恐慌、一九一五～一九四〇年

第八章　アリスのメダル──第二次大戦と黒人女性の国内での闘い、一九四〇～一九五〇年

第九章　オーレリアの訴訟──ジム・クロウとの闘い、一九五〇～一九七〇年

第一〇章　シャーリーの出馬──ブラックパワー、政治、ブラック・フェミニズム、一九七〇～二〇〇〇年

終　章　自由の女神に登るパトリシア──二一世紀の自由を守るシスターたち

あとがき
謝　辞
訳者あとがき
原　注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[BLACK無糖好き]

原著は2020年刊。アメリカ黒人女性の通史でありながら躍動的な入門書でもある。アフリカ系の女性は16世紀には現在のアメリカの地に到達していた。奴隷ではなくスペイン人やポルトガル人の探検隊とともに遠征隊としてやってきたという。その中の一人、イサベル・デ・オルベラが正義を要求した時代から本書の議論は展開される。16世紀から続く黒人女性たちの権利と帰属意識のための闘いは、姿形を変えながらも脈々と現代まで受け継がれている。その圧倒的なダイナミズムは言葉では表現できない。◆勁草書房も相変わらずいい仕事をする。

2023/08/27

[takao]

ふむ

2025/12/25