内容説明
東京でデザイナーになる夢が破れ、祖母の遺した家に引っ越してきた加乃。そこへ転がり込んできたのは、伏見から家出してきた稲荷狐だった。新天地でのリスタート同士の一人と一匹だが、土地の龍神の少女が言うことには、ここ愛媛県松山市は昔から狸が支配する地で稲荷狐なんて見つかったら命はないという。いきなり波乱の新生活の行方は――!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
東京でデザイナーになる夢が破れ、愛媛県松山市にある祖母の遺した家に引っ越してきた加乃。そこへ伏見から家出してきた稲荷狐・佐助が転がり込んでくるファンタジー。新天地のリスタートは、しかし昔から狸が支配する松山市では、稲荷狐なんて見つかったら命はないという状況。そこに両親に反発する狸の千代や、代替わりしたばかりの龍神の龍姫も転がり込んできて、四人で力を合わせて苦境に立ち向かう展開で、狸社会にも世代間対立があるんだな…とか思ったりしましたが、意外な伏線もあったり、妙手で打開する著者さんらしい物語を楽しめました。2023/05/02
陽ちゃん
8
東京でリストラにあい、家賃の要らない四国松山の亡き祖母の家に引っ越した加乃が庭にある社にお供えをしたところ、伏見稲荷大社から家出してきた子狐が掛かり、子狐の存在を知った龍の少女?がやってきて…ドタバタしますが、最後はいい感じに落ち着いたかな。それにしても松山が狸の国だったとは!久しぶりに行きたくなりました。2023/05/20
半熟タマゴ
8
東京から逃げるように引っ越してきた加乃とそこで出会った人ではないのもとの共同生活。新天地での静かな一人暮らしのはずが、人外の住人が増えていき賑やかになっていく展開が良かったです。個人的にオススメしたいポイントは龍神の少女が外からやってきた狐の少年に片想いしてるところ。健気な龍姫がかわいい。そして、何と言っても舞台が住んでいると所というのが嬉しかったですね。著者が3年間暮らしたということもあり描写も細かく県民あるあるもあってニヤリとしました。愛媛のことをよく知らなくても楽しめる1冊になってます。2023/04/18
みどり
7
出版社が変わっても、「神様(動物)」と、人と経済のお話ではある。 でも、それ以外にも「親子」や「仕事」の確執もあってかなり面白かった。2023/04/27
leo18
6
狸が牛耳る地愛媛を舞台に稲荷狐の佐助と東京で夢破れた加乃の同居を描く。狐の佐助、龍神の少女龍姫、狸の千代とキャラが良くやり取りも楽しい。龍姫と佐助の関係が微笑ましくて良かった。ハートフルストーリー。2023/05/14