中公新書<br> 正倉院のしごと 宝物を守り伝える舞台裏

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中公新書
正倉院のしごと 宝物を守り伝える舞台裏

  • 著者名:西川明彦【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2023/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121027443

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内容説明

奈良時代、光明皇后が聖武天皇遺愛の品々を東大寺大仏に献納したことに始まる正倉院宝物。落雷や台風、源平合戦や戦国時代の兵火、織田信長やGHQなど時の権力者による開扉要求といった、数多くの危機を乗り越えてきた。古墳など土中から出土したのではなく、人々の手で保管されてきた伝世品は世界的にも珍しい。千三百年にわたり宝物を守り伝えてきた正倉院の営みを、保存・修理・調査・模造・公開に分けて紹介する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

no.ma

25
正倉院宝物のように1200年以上も人の手によって守られ、天災や人災を免れてきたのは奇跡だといいます。本書により、天皇の宸筆による勅封の管理制度、曝涼・点検という保存の取り組みに支えられてきたことを知りました。正倉院に携わる方々の地道なお仕事に感謝したいと思いますが、日本のお宝を後世に受け継ぐお仕事は羨ましいですね。それと公開について、収蔵庫に展示施設を併設して常設展示にする、本当の意味での「正倉院」展には大賛成です。2023/05/07

chietaro

18
憧れの正倉院展、まだ行ったことがありません。宝物は「生き物」だと感じました。そして、後継者不足・気候変動・材料不足など、時代による課題が見えてきました。また、コロナ禍だからこそできることも。たくさんの人に支えられて宝物は長く息をしていると思いました。2023/05/21

tom

17
どうして読むことにしたのか、記憶は定かじゃない。正倉院とはどんなものかという好奇心を刺激されたのかも。小学校だったか、中学校だったか、正倉院=校倉造、日本の昔の人の知恵が詰まっていて、だからこそ1300年ものあいだ、中に収められた品物が朽ちもせずに保存されたと教えらた。ところが、この本を読むと、明治だか大正の学者が、いい加減なことを書き、それを皆さん真実だと思い、大昔の日本は凄かったと誇りに思ったとか。これに笑う。著者が書く、大昔のモノを保存するための努力には尊敬します。2023/09/12

もるーのれ

15
長く正倉院事務所に勤務された筆者による業務の紹介。業務内容を大きく保存・修理・調査・模造・公開に分けて解説する。正倉院宝物が1300年も守り継がれてきたことは、勅封という制度もあろうが、先人の保存・修理に拠る所が大きい。特に染織品が残っているのは驚異的だという。頭が下がる思いである。保存・修理や活用のあり方には、時代毎の特徴が見えて面白い。模造に1章を割いているのも印象的で、宝物の研究にも繋がるが、技術者や素材の不足が課題であるという。終章の宝物公開のあり方については仰る通り。良書だった。2025/11/29

伊達者

13
正倉院について認識が変わる本だ。国宝に指定する必要がない理由なんかも今まで認識していなかったので目から鱗。毎年の正倉院展の舞台裏も知らないことだらけ。確かに常設の展示スペースがあれば毎年あんなに騒がれなくても済むということだ。中の宝物が限界を超えた保存状態にあるというのも知らなかったこと。現場からの報告ということで面白く読んだ。もっとも修理やレプリカづくりなどは技法が分からないので理解できなかったがこれは仕方がない。2023/04/12

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