夜のだれかの岸辺

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夜のだれかの岸辺

  • 著者名:木村紅美【著】
  • 価格 ¥1,672(本体¥1,520)
  • 講談社(2023/03発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065311462

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内容説明

「毎晩、添い寝してほしい、ついでに朝ごはんもいっしょに食べてほしい」
19歳の春、茜は89歳のソヨミに雇われ、風変わりなアルバイトを始めた。

Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞の『あなたに安全な人』に続く最新作。

「当時の私は大学にはゆかず浪人しているわけでもなく、漠然と、映画に係る仕事をしてみたい、と望んではいたものの、
憧れる都心のミニシアターのバイトに応募しては履歴書で落とされていた。
ひと月でおよそ九万円。家の食費も浮く。妥当な金額に思えた添い寝を、試してみることにした。」(本書より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

itica

79
老婦人の添い寝をするアルバイト。それは老婦人の深淵に触れることでもあった。19歳の茜の一人称で、老婦人や他の人たちの関わりの中で揺れ動く内面が描かれている。芥川賞的な作品だと私は思ったけれど。 2023/04/22

fwhd8325

67
木村さんの作品は何冊か読んでいますが、どの作品も読みやすく、物語に入りやすく感じます。この作品も淡々としているなか、心の奥にある熱いギラギラしたものがとても面白い。老婆の添い寝という設定もユニークでありながら、ごく自然に感じられます。2023/05/22

シャコタンブルー

66
19歳の茜は1回3千円で老婆との添い寝のアルバイトを始める。老婆が毎晩うなされるのは14歳の時に離別した友への懴悔だ。悲惨な歴史の悪夢がよみがえり老婆の友への思いは暗くて深い。茜は映画や推しの音楽への思いは深いが他人に対する行動は内省的で慎ましく他人の世界を鑑みその行く末を想像するばかりだ。京都へ盛岡へ、14歳の少女から老女へ様々な場面に展開しながら突き進む。二人の織りなす景色は夜の岸辺のように深くも浅くも見える。そこには多種多様な生き方が渦巻いていた。2023/04/30

56
添い寝バイトはじめました。1回3000円、お相手は89歳の婆さん。こんなバイトは嫌だ。主人公の茜19歳は「寝てるだけで割が良い」と毎晩お婆さんの元へ添い寝に通う。よくわからない話だった。添い寝バイトの意味とは?と不思議に思うくらい他の情報が多すぎて何が何だか。茜のこじらせた性、お婆さんの幼馴染の人探し、その幼馴染の過酷な人生、感動?の再会、からのその後...。なにがしたいん?と登場人物全員に聞いてみたいくらい各々のキャラが理解不能だった。そしてかなり読み辛い展開と構成だった。ただ文才はキラリと光る。2023/04/23

ぽてち

43
19歳の茜は、母の紹介で89歳のソヨミと添い寝する奇妙なバイトを始める。添い寝して一緒に朝食をとるだけで3,000円をもらえる、無職の茜には割のいいバイトだった──。という奇妙な導入部から始まる物語は、複眼的な展開をする。茜が無職である理由や対人関係が苦手なことが明かされ、ソヨミの家族や幼い頃に別れた友達のフキをめぐる話などが語られる。全体を通して見れば、東日本大震災後の茜が十数年前を回想している構図だが、そこには“性の商品化”が繰り返し描かれているように思った。2023/04/19

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