ネットワーク化が医療危機を救う - 検証・新型コロナウイルス感染症対応の国際比較

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ネットワーク化が医療危機を救う - 検証・新型コロナウイルス感染症対応の国際比較

  • 著者名:松田晋哉
  • 価格 ¥3,850(本体¥3,500)
  • 勁草書房(2023/04発売)
  • ポイント 35pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326701278

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内容説明

諸外国に比し感染者数がはるかに小さかった日本で医療逼迫が生じたのはなぜなのか。危機下に露わになったサージキャパシティの小ささ、プライマリケア部門の対応力の弱さの背景には、これまでその必要性を指摘されながら改善が進まなかった医療機能の分化と連携体制構築の遅れがあった。医療介護サービス提供体制の課題を改めて問う。

目次

はじめに

第1章 新型コロナウイルス感染症が明らかにした我が国の医療介護提供体制の課題
 第1節 我が国及び諸外国における新型コロナウイルス感染症流行の疫学的事項
 第2節 医療・介護サービス提供体制への影響
 第3節 明らかとなった課題

第2章 諸外国の新型コロナウイルス感染症対応
 第1節 医療資源の国際比較
 第2節 医療提供体制と新型コロナウイルス感染症対応の概要
 第3節 比較研究から明らかとなる新型コロナウイルス感染症対応のポイント

第3章 より安心できる医療介護サービス提供体制を作るには
 第1節 喫緊の課題としての体系化された情報システム構築
 第2節 救急医療提供体制の再構築
 第3節 プライマリケア体制の強化
 第4節 医療介護サービスの総合的提供体制の構築
 第5節 Fact(事実)ベースで議論する社会文化の醸成とリスクコミュニケーションの強化
 第6節 地域医療計画の実効性の向上
 第7節 現場力が生かせるシステム作り
 第8節 健康危機管理体制
 第9節 大学病院の在り方の見直し
 第10節 公的病院・民間病院の在り方問題の帰結としての「公的病院サービス」という概念の具体化

終 章 本書の分析結果に基づく提言
 提言1 社会的共通資本である医療・介護の理念の確認とそれに基づく具体的なPlus oneの活動の実践
 提言2 日本型IDSの展開
 提言3 総合医及び高度実践看護師の育成
 提言4 医療介護情報の標準化と情報活用システムの整備
 提言5 地域医療計画及び地域医療構想の実効性の向上
 提言6 健康危機管理体制の見直し
 提言7 慢性期医療の正しい評価
 提言8 財政問題への適切な対応
 提言9 国際比較研究の推進
 提言10 筆者の考えるこれからの高齢社会における地域医療提供体制

補 論
 1.北九州市における新型コロナウイルス感染症対応
 2.岡山県精神科医療センター 精神障害者に対するCOVID-19対応の先進事例から学ぶ
 3.新型コロナウイルス感染症流行対応で証明された医療介護複合体の強さ――西岡病院 在宅医療連携の拠点としての地域貢献
 4.近年のアメリカにおける複合体の動向――病院を中心としたケアミックス戦略 アメリカ・モンテフィオーレシステムのACOモデル
 5.フランスにおける医療介護の複合ニーズを持った高齢者に対する総合的サービス提供体制の構築――Les Abondances-Le Rouvray高齢者総合センター
 6.フランスにおける医師の働き方改革――フランスにおける医療職のメンタルヘルスの現状とその対策について
 7.カナダ・ケベック州における家庭医制度について
 8.特定健診・特定保健指導事業の現状と課題――かかりつけ医機能との関連
 9.フランスにおける個人情報の保護と活用の仕組み――CNILについて
 10.理念の再確認――公共概念の再確認
 11.日本が抱える問題を正面から考えることの必要性

コラム
 1.好事例の横展開は難しい 良い組織文化の継承戦略
 2.医療および介護レセプトの有効活用
 3.フランスの国立公衆衛生大学校(Ecole Nationale de la Sante Publique: ENSP)における危機管理教育
 4.医療界のコミュニケーション能力
 5.リーダーシップとは
 6.医師会への誤解
 7.保険者機能
ほか