内容説明
人類学の古典中の古典が待望の新装版で登場。スーダンのヌアー族を調査して、彼らの生活と政治制度を緻密に記述した第一級の民族誌。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
戦前、東アフリカのヌアー族[現在は「ヌエル」表記]を調査した著者は機能構造分析を彼らの政治領域に援用し、自然のサイクル(生態学的環境)と儀式等を行う共同体のサイクル(構造的環境)を区別して、親族関係、年齢組関係を「距離」という概念で体系化した。牛を最重要資産と捉え、死霊や精霊も牛を通じて接触すると信じるヌアー族社会の価値観に注目した本書は、所有する牛の価値を共有する意識が各々の共同体の距離を配分し、共同体間に闘争が起こるには両者に適当な距離が必要であると記す。この社会を著者は「秩序ある無政府状態」と呼ぶ。2024/03/03
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牛を基軸とした社会を持っているヌアー族に関する本。近代的なシステムとは全く異なる社会が成り立っていることがわかった。2025/05/28
mai02b
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Amazonオーディブルのポッドキャスト 奇抜な人生でヌアー族について初めて知って 興味深いなと思って、一部読んだ 牛がどんなに彼らにとって大切で 切り離せない存在か どの話をしても牛の話になってしまうは笑った 2024_37冊目2024/07/14
ふるかわ
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平凡社ライブラリの新版で。何度読んでも発見のあるすごい本。経験を積めば積むほどE-Pの洞察の深さがわかってきますねえ。2023/05/24