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内容説明
判断を迫られる数々の場面
会社・学校・家庭・地域社会...
早さ・効率だけでは解決しない!
「わからない」不安を受け容れ、正解がない問題に向き合うための処方箋
VUCAの時代にあって、より質の高い解決策を見出すために、あえていったん立ち止まり、物事の本質を見極めることの大切さ。ネガティブ・ケイパビリティの基本的なエッセンスの解説から、その高め方、具体的事例までをトータルでお話します。
【目次】
はじめに 答えを急いではいけない時がある
第1章 ネガティブ・ケイパビリティとはそもそも何なのか
第2章 「わからない」という不安を受け容れる~2つのキーワードから
第3章 判断を性急に下さない~ホールドとサスペンド~
第4章 ありたい自分に近づき、他人に寛容になり、物事の本質が見えるようになる
第5章 ネガティブ・ケイパビリティを高める方法
第6章 「何もしない」ことの大切さ~人を育てる
第7章 「わからない」と正しく向き合う~リーダーシップとチームや組織の中で
第8章 共有ビジョンと“結論を出さないルール”の「場」~地域ぐるみでネガティブ・ケイパビリティを発揮する
第9章 東洋思想の叡智とネガティブ・ケイパビリティ
おわりに 本当に大事なものを見落とさないために
【関連ワード】
ネガティブ・ケイパビリティ キーツ ビオン システム思考 VUCA リーダーシップ 組織 教育 東洋思想 レジリエンス シナリオプランニング
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
53
先に帚木蓬生さんの本を読んで以来、ずっと自分の中にある大切なキーワードの一つ。振り返りの意味も含めて、手に取って読んだ。一言で言うと、腑に落ちた。今、まさに必要とされている哲学だと思う。スピード優先のため、表面的なこと、ハウツーだけで終始しているのが、現在のこの国・世界なのではと思う。その中で、時間をかけ、踏みとどまり、深さ・広さへの視座を持つこと。勇気のいることだと思うが、必須だと思う。中で出てきた「受け容れる」という言葉が、なるほどと思う。2023/06/04
とよぽん
48
枝廣淳子さんの著書であることから読んでみた。「ネガティブ」という言葉がつくと、何となく悪い印象を受けるが、これは乗り物のブレーキに相当する作用であると例えられた。つまり、重要で必要な考え方なのだ。物事を結論づけずに一旦保留にしておくとか、立ち止まること、待つこと、何もしないこと等の効用を読むと、なるほど、答えを急がない勇気が肝要なのだとわかった。答えや結論を急がずに、アクセルペダルをブレーキペダルに移す・・・。それがさまざまな課題を本質的に解決するために必要とのこと。事例も紹介されている。2023/06/05
おの
13
タイトルにひかれて買った。無為自然て感じ。現代人には必要な考え方かもね。2024/03/03
ブック
12
ネガティブ・ケイパビリティはもともとの東洋思想に存在する「唯一の正解はない」という世界観を、西洋人が名づけるとこうなったというものである気がする。西洋のそれは「不確実にとどまる力、胆力」だが、東洋のそれは「こだわりを手放す」「何にも心を捉われない」という言い方になる。両者のちがいは思考のベースにあるのでは。自然を支配しようとする西洋に対し、自分も自然の一部であるとする東洋の差だろう。今の日本人には見られなくなった思想だが。瞑想や禅が注目されるのも、東洋思想に西洋科学では分析不能な何かがあるのだろう。 2024/01/03
coldsurgeon
12
詩人ジョン・キーツの手紙に初めて使われたというネガティブケイパビリティという言葉は、答えを急がない、不確実性を許容する高度な能力であり、知的寛容さともとれる。それに対するポジティブケイパビリティは、タイムパフォーマンス良く、素早く答えを出し対応する様をいい、現代ではそれがもてはやされる。不安定、不確実、複雑、不明瞭を特徴とするVUCAの時代の現代を見つめれば、答えを急いではいけない時もある。老子の東洋思想に、ネガティブケイパビリティにつながるものがあるという。素早さと分かりやすさを求めすぎないように。2023/09/20