宝島社新書<br> 老いてはネコに従え

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宝島社新書
老いてはネコに従え

  • 著者名:養老孟司【著】/下重暁子【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 宝島社(2023/04発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784299041432

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内容説明

人生は一切なりゆき、行きがかり――
ネコの虜、85歳と86歳が「自分勝手」の極意を語る

下重 私たちはどうして、これほどまでにネコに惹かれるんでしょうね。
養老 人間と違って、ものをいわないからじゃないですか。ものをいったら憎たらしくなることもあるかもしれない(笑)。


現在80代半ば。
敗戦によって、「世の中の正義」が一夜にしてひっくり返る理不尽・不条理を目の当たりにし、
社会が押しつけてくる「ものさし」を根底から疑うようになった、養老孟司さんと下重暁子さん。
「社会性などまるでないネコのほうが、よほど信頼できる」と養老さんは語ります。

本書は、「90歳の壁」を目の前にしたお二人が、それぞれのネコ愛を基軸に、
老いや病、日本社会が抱える歪(ひず)みなどについて縦横無尽に語る対談企画。

しなやかに生き、素直に死んでいくネコたちの後ろ姿から、
「生き物として、ラクなあり方」のヒントを素描する一冊です。


【目次】

まえがきにかえて 養老孟司

第一章 ネコと暮らせば

養老さん、危機一髪
「独立した人格」をもっていた、まる
気がつけばそこにまるがいた
「鳥」になった最愛の猫・ロミ
ものいわぬ猫たち、それゆえの魅力
媚び猫なんてみたくない
「血統書つき」には信用を置かない
モグラが部屋を走り回っていた朝
猫は体の声を聞く
生き物としてお粗末な人間
八五歳を過ぎて、まるの気持ちがよくわかるように
無駄な抵抗はしない

第二章 ヒトという病
「ともあろうものが」という呪縛
小言や説教を聞き流す力
北朝鮮のマスゲームをみると今でもゾッとする
飲兵衛は本音で喋るからいい
邪魔にならない相手と一緒にいるだけ
放っておけば子は育つ
死に集中すると生を見失う
「産めよ殖やせよ」なんて余計なお世話
原理研の学生が抱えていた心の闇
日本型の秩序は必ず「暴力支配」になる
オレオレ詐欺、恐るるに足らず
日本は自然災害でしか変われない
「意味を求める病」とは
まるみたいに、成り行き任せが一番いい

第三章 90歳の壁
「まだ生きていたんですね!」
予定調和で死を迎えたくない
ICUのベッドで「お地蔵さんのお迎え」
散り際には、きれいな眼をした猫を抱いて
亡くなった人たちの背後霊が乗っている
故人への「思い」を出すから「思い出」
目下の心配は「標本の壁」を越えられるかどうか
死への歩みも「インシャ・アッラー」
一夜にして世界のみえ方が一変した
縛られていたほうが楽である
社会を無視して生きていくことはできない
敗戦時、母に渡された白い薬包
社会は「と思ってる、と思ってる」の連鎖で出来ている
養老先生、大学を去る
象牙の塔、その終わりの始まり
ポリコレ合戦に堕した学生運動
ネットフリックスで「ニュー・トリックス」を楽しむ
英国式ユーモアを培った、陰鬱な自然環境
一生懸命遊ぶために仕事をしている

第四章 まるに始まり、まるに終わる
教育が子どもの「好き」を削ぐ
唯一の友達は蜘蛛だった
養老さんが嫌いな虫
ヨーロッパの連中はろくなことを考えない
一番のSDGsは人を減らすこと
「地震待ち」の理由とは
腐臭漂う、日本の「残りかすの残りかす」
「アメリカ世」から「中国世」へ
時代が悪くなることで人が輝く
日本人の感性の根っこにあるのは「自然の強さ」
「日本人は清潔病です」
自然の側が虚を突かれた
一夜にして消えたタケノコ
犬をつないでおくという不自然
子どもは一日にして慣れる
生きる力を取り戻せ
まるのようになれたら

あとがきにかえて 下重暁子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

204
ネコ、虫、そして2038年後の日本。様々な話題から、君たちはどう生きるかを問うてくる対談集。世の中のすべては、どうせ変わるに決まっているんだから「意味を求める病」からの離脱が大切なこと。行きがかりと成り行きで、その瞬間、瞬間を生きていく、ネコのような自由な生き方に倣うこと。そして、ネコから自然を感じ取り、人間本来の生き方を取り戻すことも必要なのだと感じます。2024/01/22

TakaUP48

68
養老氏の長年連れ添った「まる」は、どすこい座りの猫で有名。媚びない独立した人格を持っている猫。一切なりゆき、行きがかりで生きる猫に魅力を!でも、猫の話は初めと終わりだけ。後は、戦中派で協調性なく集団行動苦手の2人の放談!大戦でも本質の変わらなかった日本は、2038年予想の東南海地震後の国民の対応で変わるか?少子化が悪いのか。「廃県置藩」で工夫を!SDGsを主導している国連は、エリートと権威におもねる集団。一番のSDGsは人間が減ること。ごもっとも!本当に、忖度抜きで多方面に渡り、自分たちの言いたい放題。2023/12/26

miww

51
養老先生の言われる猫の魅力。人間と違ってものを言わない。人間に合わせるということをいっさいやらない「独立した人格」に共感、ほんとこれにつきます。冒頭の猫談義からの社会問題や政治家の話。「SDGsだとか環境保護だとかいうんだったら、一番いいのは人間が減ること」。人口をどんどん増やしながら「自然を守ろう」、つまり人間が自然をコントロールしようなんていうのはすごくおこがましい考え方ですよね。歳を重ねられた養老先生と下重さんならではの対談は興味深く面白かった。 2023/11/04

Minamihama

17
2039年の東南海地震と南海トラフ地震が起きる以外日本がまともになる方法はない、まったく、おっしゃる通りだ。2023/11/17

青木 蓮友

15
まさかの「癒し」に驚愕です。読後すっかり安心している自分がいます。いやはや、こんな気持ちになるとは思いもよらず。そして「2038年」のこと。あと15年、わたしは67歳か。ひとつの目安を得て、いい意味で覚悟を意識できたような気もして。猫が大好きなおふたりというだけでもう信頼感爆発なので、ほんとうに素直に話が聞けました。おふたりが言うならそうなんだろうと、おのずと湧く謙虚が心地よくて。自然に夢中で無理をせず。養老先生の「気がついたらこの世に生まれていたわけでしょ」が印象的、気づいたら死んでいたに憧れます。 2023/07/03

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