「推し」の文化論

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「推し」の文化論

  • 著者名:鳥羽和久【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 晶文社(2023/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784794973313

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内容説明

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BTSから世界とつながる。
楽曲やメンバーの言葉、ARMYとの関係の分析から、いまを生きるための術をさぐるBTS論の決定版!

 この1冊でARMYはバンタンと出会い直し、そしてBTSに初めて触れる人はその深みに驚嘆する。哲学、文学、精神分析、ケア、資本主義分析などを背景にした、BTSを通した「いま」を生きぬくサバイバルガイド。BTSメンバー(RM・JIN・SUGA・J-HOPE・JIMIN・V・JUNG KOOK)それぞれの魅力を描いたコラム付き。

【目次】
1章 BTSとARMY
2章 二面性のある世界
3章 アイデンティティ
4章 BTSの精神分析
5章 BTSと資本主義
6章 BTSの現在地
7章 「推し」の幸福論
終章 走れバンタン!

========本書の内容から========
1章 BTSとARMY
BTSという「推し」の見つけ方/新しい時代の価値観を体現するBTS/「推し活」の効用/テテとつながっているなら世界とつながっている/「弱い自分」を内面化する子ども/「推し」のことは私だけがわかる/世界の誰かの「好き」とつながっている/Love Myself 自分を愛すること/連帯するARMY/Save ME ~BTSとARMYは連帯して「私たち」になる/Mikrokosmos ~孤独な星どうしの引力

2章 二面性のある世界
長男ジンの魅力/ジンの卓越したバランス感覚/RMという個性のデコボコ/メンバー同士の暗黙の了解/ケアし合うメンバーたち/ムードメーカー、ホビ/BTSのやさしい世界/BTSが見せるダブルバインドな世界/ON ~苦痛を持ってこい/黄金マンネ、ジョングク/Am I Wrong ~特権階級が支配する世界

3章 アイデンティティ
彼らの音楽には触れてはならない/BTSのオーセンティシティ/No More Dream ~韓国の学歴社会/O!RUL8,2? ~子どもに「人生を楽しめ」と語る大人の詭弁/バンタンの初期衝動/初期バンタンの弱点と愛おしさ/社会適応して「生きる実感」を失っていく十代/ルサンチマンと精神分析/葛藤を手放さないBTS/文化の盗用?/Ma City ~故郷を歌うアイドル/韓国の地域対立/光州事件の悲劇/「語り」が歴史を形骸化する/BTSの批判精神/光州を歌うホソク/BTSと政治

4章 BTSの精神分析
「好き」との付き合い方~シュガの発言から/「享楽」する私たち/「楽な夜を」/好きには嫌いが混じっている/アンビバレンツなシュガの表現/シュガの管理社会批判/悪夢から目を覚ませ/劣化した現実でしかない「夢」/大人は子どもに希望を語ってほしい/Paradise ~僕には夢がない/花様年華 ~いまお前は幸せか?/信念よりもいまを柔軟に生きる/夢に多くの意味を与えてはいけない~シュガのインタビューから/So What ~自分独特のライン/Singularity ~魅惑するテテ、声を封じられた子ども/Inner Child ~内なる子どもに光が差す/BTSというペルソナ/キム・ソクジンの絶望的な暗さ/RMの自己とペルソナの葛藤/BTSというパーソナリティ分裂/Yet To Come ~メッセージの二重性/「ほんとうの自分」なんてない

5章 BTSと資本主義
夢が持てない若者/ヘル朝鮮/n放世代/Spine Breaker ~資本主義批判/スプーン階級論/泥のスプーンでベプセ/「浪費」と「消費」の倫理学/Go Go ~YOLO族とノーマネー族/享楽するBTS

6章 BTSの現在地
世界的スターに/Sea ~幸せの中で感じる恐怖/海と砂漠/希望のあるところには必ず試練がある/Euphoria ~僕を破滅させるかもしれない陶酔的な幸福感/アポロンとディオニソス./BTSという文学作品/グローバルアイドルBTS/RMの国連演説/RMのオーセンティシティ/「正しい声」を代弁すること/BTSと公共性/UGH! ~「正義」に居直らないこと/アンチと呼ばれる人たち/Butter ~メタファーの効用/政治的正しさの代弁者/非当事者が声を上げること/「傲慢じゃないのか」RMの葛藤/普遍に移行すると特殊性が死ぬ/正しさを代弁する立場から身を剥がす

7章 推しの幸福論
現代の幸福論/デフォルトをマイナスに設定する現代/推し活を通して世界とつながる/推すことの危うさ/FAKE LOVE ~嘘をつくのはうんざり/「使用」関係と「支配」関係/「支配」関係に陥り、アンチに転落する/Use me、僕を使用してください/息を吐くように他者を支配する/Pied Piper ~挑発するBTS/Filter ~推しとファンの共犯関係/エグいジミン/Anpanman ~揺れるヒーロー/「推し」を思い通りにしたい/Seesaw ~推しとファンのバランスゲーム

終章 走れバンタン!
頂点を極めたBTS/灰色の犀/人間を包摂する資本主義/Yet To Come ~変化について/防弾会食2022を振り返る/RMはグループの発端/「7」の真実/7年間のProof/Black Swan ~僕の声が聞こえているのか?/Run BTS/ジンの入隊/best moment is yet to come

■鳥羽和久のメンバーへのコラム
ナムジュン・・・言葉と詩の人、ソロアルバム『Indigo』、言語と美術
ソクジン・・・執着を持たない人、ジンのLove Myself、生活者の視点
ユンギ・・・ユンギペンはヤバい、アンビバレンツな人、精神的な拠り所
ホソク・・・私の希望、ダンスリーダーで調整役、やさしくて一番熱い人
ジミン・・・芸術的表現力、「関係性」を大切にする人、クオズの友情
テヒョン・・・ロマンチックな人、グループを異化する存在、天然の詩人
ジョングク・・・ミスターBTS、まだまだ足りない、黄金マンネはBTSの宝

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

二人娘の父

8
「推し」を文化として語る。対象はBTS=ARMY。手強い論客ひしめくこの戦場に果敢に挑んだ著者に敬意を払いたい。しかし内容は決して難解ではない。むしろ「BTSをよく知らない」人が読んでも、著者の思いは伝わる。そうした気遣いに満ちた論考になっている。「好き」だから「推す」のは当然なのだが、時に「好き」は暴走し「推し」は暴発する。巨大なファンダムと対峙するメンバーは、そうは言っても20代の青年。現実と自己を理解することに、困難も伴う。しかし彼らはそれをメッセージとして伝えてきたという事実に感動を覚える。2023/04/06

ichigomonogatari

3
BTSの歌の歌詞はなにしろ韓国語なので全くわかっていなかったが、この本を読みシュガやRMがメッセージ性の高い曲を作っていたことを知った。メンバーそれぞれの個性や特徴が解説されていて面白かった。私の推しは「ロマンチックな人」となっていました。2023/11/06

sucksuckhello

2
鳥羽和久さんの著作が好きで、BTSのことはほとんど知らない状態で読んだ。楽曲、PV、メンバーのファンミーティングの発言、インタビューをすべてBTSという作品として読み解いていく本格批評だった。僕はそもそもアイドルにそんなに興味がなく、BTSの人気も、国がショービジネスに力を入れたことによるものと思っていたが、この本を読んで、美しくて才能に恵まれた若者がARMYと共に成長して行ったことが世界での人気に繋がったのだ、と認識を改めた。2023/08/12

くみこ

2
ビジュアルや歌唱力、ダンスのスキルの高さ、またそれぞれのキャラクターの個性の豊かさなど、彼らには、誰にも聞かれてないのについつい語ってしまいたくなるような魅力がある。 それは勿論だけれど、私にとってBTSの一番の魅力は、社会へのコミットの仕方。未だに「音楽と政治を結びつけるな」とか「アーティストは芸術活動だけしてればいい」なんて言う人達がいるけれど、でも、彼らはとてもクレバーな方法でそれらと闘っている。推しがいる世界をよりよくしていかなきゃ、そう思わせてくれるBTSはやっぱり素晴らしいな。2023/03/20

いへ

1
BTSにとってRMの存在ってやっぱりすごく大きい。2024/09/17

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