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内容説明
著者が50年前に訪れた新潟県高田の瞽女らが旅した村々の様子や、高田瞽女の親方杉本キクエの言葉を通して、その生き様を描き直す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字スキー
20
【目の不自由なもんは、目の不自由な商売してりゃ、人は情けをくんなして、それでいいんだよ】江戸時代から続くといわれる瞽女の暮らしを長年取材してきた著者の集大成……というより語り納めのようなもの。終戦期の混乱や高度経済成長の影にあった、やがて消えゆく歴史。人の世で生きることの厳しさと優しさの交わり。時代は流れ、人も社会も否応なく変わってゆく。【わたしらの世界には、わたしらにしか通じない世界というもんがあるんだよ】2023/05/29
4fdo4
15
盲目の旅芸人【瞽女】。そのルポルタージュ。彼女たちの結束と規律、訪問先での情けや苦悩。よくここまで調べ聞き取った。すごい本を読んだ。戦後の農地改革によって彼女らを歓待する豪農が消滅。そして彼女らの旅もあっという間に成り立たなくなる。第二部の著者の体験記に何とも言えぬ複雑な気持ちになった。切ないともやりきれないとも。何て言うのだろう、この読了後の気持ちは。2023/08/31
パパ
2
盲目の女性が生活の糧を得るために唄を披露しながら旅をする瞽女。その世界を20年以上前に亡くなられた瞽女たちに取材してつれづれなるままに書き綴ったノンフィクション。高田瞽女は一座をつくり新潟県内や長野県の大地主をまわり、喜捨を受けて生計を立てていた。 喜捨や掟といった一見すると非合理的なものが誰も取り残さない社会を作っていたのだと感じる。現代が効率主義や合理主義で失ったものがそこにある。現代が無くしたものを取り戻す動きがSDGsなんだ。2023/05/04