内容説明
「指輪って、心とつながるものなんだよ」
その指輪をつければ、「運命の赤い糸」が見える――。
切ない願いが込められた指輪がつむぐ、ひとつなぎの恋物語。
「自分なんかじゃ絶対に無理だ」と思っていた片想いの相手と、運命の赤い糸で結ばれたいと願いつづけたら――「僕らはあの頃と変わらない」
つれない恋人との関係に不安を抱いていたところ、指輪の力で相手が運命の人ではないことを知ってしまい――「どうして機嫌のいいときしか好きって言ってくれないの?」……など、“奇跡の指輪”をめぐる6つの恋模様を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルちゃん
35
不思議な指輪が繋ぐ、運命の物語。運命の人が分かるってどうなんだろう。好きだと思ったのに、付き合う意味を見いだせなくなったり、誰もが一度だけの、失敗のない恋を選ぶのだろうか。それとも、結末を知りながらも、その瞬間の感情に流されてみようと思うのだろうか。色合いの違う6つの恋のお話。特に#3と#5は長編でも良かったと思える。ラストは分かっていながら、心揺れてしまった。2023/06/06
よっち
35
その指輪をつければ「運命の赤い糸」が見える。切ない願いが込められた奇跡の指輪が紡いでゆく、6つの恋模様を描いた短編集。夢を諦めかけていた少年を励ます少女を襲った悲劇。そこから運命の赤い糸が見える指輪を絡めながら語られる、上手く想いが伝わらない高校生カップル、女子高生の先生に向けられた思いや12年越しの愛、不器用な母と娘のすれ違い。上手くいかない人たちが抱える複雑な想いが変化してゆくそれぞれのエピソードも良かったですけど、巡り巡って見守ってきた大切な人の元へと繋がってゆくその結末が何より印象的な物語でした。2023/05/02
Cham
20
はめると赤い糸が見える不思議な指輪が紡ぐ短編集。宇山さんらしく綺麗に恋愛の話が繋がっていく。好みはピアニストである母親に褒めらたことのない娘の話である「私がもとめているもの」。2023/07/25
ゆき
14
やっぱり宇山さんの話好きだな。はめると赤い糸が見える指輪。巡り巡って・・・。「わたしを失望させないで」は主人公と同じ名前なので印象的。2023/11/02
すにぃ
9
付けると周りの人達が運命の人と赤い糸で繋がっているのが見える指輪がある。 もちろん自分の指にも。 みんなに赤い糸が見えていたら最高に幸せな世界になるだろう。 ただ、花耶が不憫だなあと。 あんなに大好きだった征一の未来を願うなんて。 ただその願いによって、運命の人と結ばれ幸せになる人達に繋がり、そして最後には…。 指輪がつなげる純粋な恋の話。 一番のお気に入りで泣けたのは『#4 わたしを失望させないで』。 【運命の人とは、その人の運命がどんなものであったとしても、一緒に生きたいと思える人のことだ】2024/03/09