草思社文庫<br> 【文庫】庭仕事の愉しみ

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草思社文庫
【文庫】庭仕事の愉しみ

  • ISBN:9784794218346

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内容説明

庭仕事は瞑想である。草花や樹木が教えてくれる生命の秘密。
文豪ヘッセが庭仕事を通して学んだ「自然と人生」の叡知を詩とエッセイに綴る。

庭仕事は瞑想である――
ドイツの文豪ヘルマン・ヘッセは後半生、
執筆以外の時間をほどんど自分の庭で過ごした。
ヘッセは庭仕事の中に尽きぬ愉しみを見出し、
のちに彼の文学へと結実するさまざまな秘密を発見した。
自筆水彩画と在りし日のヘッセの写真を多数掲載。
ヘッセが庭から学んだ自然と人生の叡智を詩とエッセイに綴った書である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シナモン

144
長かった冬が終わり、いよいよ庭仕事を始めようという時の「なんでもっとちゃんと準備しておかなかったのか…近隣の家は万全の体制なのに…」という気持ち、よく分かる。庭仕事は「健康法と気分転換」まだまだ庭仕事の苦しみの方が似合う私だけど、時々この本を思いだし、大きな心でまた庭仕事に励もう。そして一つ一つの草花、木をもっと観察する心のゆとりを持とう。2021/06/27

やいっち

80
ヘッセ作品は、主に若いころ、『車輪の下』『デミアン』『シッダールタ』『荒野のおおかみ』などといくつかは読んだものだ。中でも『荒野の狼』は若いころ、ほとんど座右の書だった。四半世紀を経て読んだ際には、もう、当時の興奮は感じられなかった。若いころにこそ読む本というのはあるのだろう。2021/08/04

アナーキー靴下

79
草思社文庫の「少年の日の思い出」(副題は「ヘッセ青春小説集」)を読み、思い出の中の美しい風景が蘇るような描写に心を射貫かれ、自然への憧憬が詰まっていそうなこの本を知り手に取った。まさにその予想は当たりで、日記であってさえ、客観的事象の裏に、常に心的な豊かさが溢れているような一冊だった。エッセイ、詩、小説、書簡、さらに庭に親しむヘッセの写真に水彩画と、多彩な内容が収録されているが、そうした作品の区分は意味をなさず、全体がヘッセの心の内奥を感じさせてくれる。私にとっても思い出深い花々の話は心に強く触れた。2021/07/31

マリリン

45
ヘッセの原点はここなのか。庭での様々な植物や鳥や動物との出会いは目に見えない繋がりを創り出し語りかけ...。水彩画や写真もよい。深く印象に残ったのは童話「イーリス」。登場するモーツアルトの「アヴェ・ウェルム・コルプス」が後半静かに聴こえてくるような耽美な作品だった。一緒になるということは、ふたつの音楽の調和なのかもしれない。想像が謎となり見たことが予感となり、世界に通じる門...庭は内面生活の記憶と象徴、あの世を指示する死と再生の予感、彼だけが知り解放できるもの...世界観をじっくり味わった至福の読書。2023/05/31

まさ

28
ヘッセの詩とエッセイ、手紙や画も織り込みながら、"庭"への愛情が伝わってくる。庭に佇み、観察し、生命の鼓動を感じ、自然や人生を考える――。ヘッセにとっていかに庭が大切だったか。じっくりと読み、考え、表紙の写真の表情を見て、なんだか勝手に親近感すら持つ。うちの小さな庭もいっそう愛でたくなるなぁ。2022/03/06

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