女の旅

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女の旅

  • 著者名:花房観音
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • ミリオン出版/大洋図書(2023/03発売)
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  • ISBN:9784813022916

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内容説明

小説家。人妻。五〇歳。
旧赤線街、ストリップ、ラブホテルーー日本全国の色街をひとり彷徨い、男と、セックスと、女の生き方を問う。
情念のハードボイルド・エッセイ。

<目次>
なんば・・・ずっと男が怖かったのだということを、女性とセックスして思い出した。
広島・・・・人生は思い通りにならない。けれど、それが不幸だとは限らない。
渡鹿野島・・あんたたちだって、セックスしてんだろ? セックスして生まれてきたんだろ?
加太・・・・セックス、性欲は私にとっては自分の人生を破壊した罪悪だった。
岐阜・・・・彼女は誰のものにもならないまま、あるとき、永遠に皆の前から消えてしまう。
十三・・・・当たり前に「若い女」を享受している人たちとは、違う世界に生きているから。
彦根・・・・社会からこぼれ落ちた、まっすぐ生きられない人間ーーそれは、私自身だった。
六本木・・・痛めつけられたい、虐められたい、支配されたい。好きな男になら、何をされてもいいと思っていた。
五条楽園・・赤は女の色だ。毎月血を流す度に、そう思う。子も産まぬのに、まだ、血を滴らせている。
山形・・・・死の匂いが漂う場所で、自分が生きていることを確かめているのだろうか。
生駒・・・・人前に出ることは、傷つけてくれと言っているようなものだと、たまに考える。
小倉・・・・善と正義を掲げ、それに外れた人々を糾弾する声がネットや実社会にも溢れていて、しんどい。
梅田・・・・いっそ、そうして誰かに殺されるほうが、自死を選ぶより楽な死に方だと思っていた。
道後・・・・私の「幸せ」は、世間が言う「女の幸せ」ではないかもしれないけれど。
別海・・・・どうしてあんな醜い女が男たちからの金で働かずに生きられるの。
渋谷・・・・四十歳なんて、水の中で息を止めるように、一瞬だけ我慢して、乗り越えたらよかったんだよ。
姫路・・・・私は長い間、ラブホテルでしかセックスをしたことがなかった。
城崎・・・・暗鬱な日常から自分を救ってくれるのは、セックスだけのような気がしていた。
比叡山・・・愛や恋などではなく、ただ、男が必要だ。
鳥辺野・・・「女」として生きていたいから、男という存在への執着が強くなる。
別府・・・・「運転手とバスガイドって、デキてるんですか?」どうせなら、一回だけでもやっときゃよかったな。
芦原・・・・踊り子の裸は、女の人生が浮き彫りになる。だから私は、若くない踊り子のステージを見るのが、好きだった。
宮津・・・・私は、底辺なのだ。人としても、女としても、劣等生だというのを、思い知らされた。
長崎・・・・この世に、「女」であることで金銭を得たことがない者が、どれだけいるのだろうか。
高知・・・・背徳的な欲望を持った人間は、逃げ場を失って、どこに行けばいいのだろう。どうやって生きればいいのか。
恐山・・・・若い頃は、死にたいと思わない日はなかった。けれど私は図太く生きながらえてしまい、五十歳を迎えようとしている。
甲子園・・・人は弱い生き物だ。様々な鎧を纏って心身を守り、生きている。
飛田新地・・多くの人が、必死に取り繕っているだけで、正しく生きてはいないのだ。
祖谷・・・・私だって、綺麗な若い女だったなら、AVに出たかった。
熊野那智・・ああ、死後の世界はこんなふうに闇しかないのだと思った。地獄も極楽もない、ただの闇。
福島・・・・セックスでしか癒されない、セックスでしか救われないものが人にはある。
浅草・・・・めんどくさい「女」という性を捨てきれず、あがきながら、私は年を取る。

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◎プロフィール

花房観音(はなぶさ・かんのん)
1971年兵庫県生まれ、京都府在住。2010年『花祀り』で第一回団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。官能小説やホラー小説、エッセイほか執筆活動の傍ら京都観光のバスガイドを務めている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

69
広島から浅草までの国内22か所をめぐる女ひとり旅。著者は40歳で小説家としてデビューを果たした花房観音、ストリップファンでもある。広島第一劇場(閉館)、岐阜のまさご座、A級小倉などのストリップ劇場やラブホテルを訪ねたり、かつて売春島と呼ばれていた渡鹿野島、そして全国に名を馳せる飛田新地など、普通の人のいかないところをゆく異色の紀行文。若い頃に「痛めつけられたい、虐められたい、支配されたい。好きな男になら、何をされてもいい」と思っていた花房さん。→2023/07/05

ぶんぶん

20
【図書館】花房観音の旅の記録。 思えば、観音様は若い時に男に減滅していたんだな、しかし、セックスからは逃れられなかった。 めくるめくセックスを夢見て、果たされざるもの、そんな女の旅を続けている印象が強い。 ある意味、ルポルタージュの体をなしているけど、やはりセックスに落ち着いてしまう。少しは観音様の内面が判り、嬉しい反面、まだまだ創っているなと感じる場面も。ただ、バスガイド、歴史好きの要素からその土地の風俗・歴史を交えて語るのが上手いと感じる。読者層を意識してか定価2,000円はこの装丁では高いと感じる。2023/10/06

スリカータ

19
花房観音さんの旅のエッセイ集。なかなか一般女性が立ち入らない飛田新地や売春島などにも、作家の視点から綴られていて興味深い。花房観音さん、ご自分の容姿や性の遍歴へのコンプレックスを綴られているが、元々若くて可愛い女性が若さを失って尚可愛さにしがみつき痛々しいよりも、年齢を重ねて魅力が増すタイプだと思う。全国各地のストリップ劇場巡りと山形県や青森県・恐山のレポートが良かった。2023/06/05

cebola6

4
スケベ心に読んでいたが、最初のインパクトが続かなかった。花房観音さんのスケベは好きだ。2023/09/25

とと220

4
花房さんならではの旅の記録。私は、とても興味深く読み、紹介されていた著書などを読みたいと思った。2023/09/17

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