最後の語り部

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最後の語り部

  • ISBN:9784488011246

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内容説明

新天地を目指して家族とともに恒星間植民船に乗り込んだ少女ペトラ。眠っているあいだに目的地に到着するはずだったが、380年後に目覚めてみると船内で革命がおき、ペトラ以外の乗客は地球の記憶をすべて消去されてしまっていた。ただひとり、地球の記憶を持っているペトラは、故郷のおばあちゃんが語ってくれた昔話、そして人類の歴史の中で生み出されてきた膨大な物語を武器に、恐ろしい計画を実行しようとする大人たちに戦いを挑む。ニューベリー賞、プーラ・ベルプレ賞を受賞。物語の力で世界を変えようとする少女の姿を描く傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

97
YA。児童書。ディストピアSF▽2061年、彗星が地球に衝突する。科学者の両親と共に宇宙船に乗り込み380年の睡眠を経て、13歳の少女ペトラは新しい惑星に降り立つ予定だった。しかし長い眠りの間に宇宙船で革命が起こり、人類を恣意的に同一化し単一社会にする「コレクティブ」だけが生き延びていた。ペトラは記憶を消されコレクティブの道具として目覚めさせられたが、不具合のため記憶と意思が残されていた。ペトラは「物語」を武器に、残された仲間と共に逃げ出す計画を立てる▽映像化向き。未来人はちょっとキモイ2023/08/07

がらくたどん

62
科学者一家の長女13歳ペトラはメキシコ系のおばあちゃんが語る「お話」が好きで「語り部」憧れる。ハレー彗星の地球衝突寸前に両親や弟と共に地球離脱ロケットに乗せられた彼女が長い睡眠状態から覚めたその目で見たものは!闘わないために極端な均一化を選び目的のために粛清を厭わない新人類達。「古いタイプ」のまま覚醒した彼女は人それぞれが持つ思い出や感情といった内面の自由を取り戻すために単身で生き残りに挑む。武器はたった一つ。物語を創る力!手に汗握るYA向けファンタジックSFと泥臭いフォークロアとの絡みが実に新鮮だった。2024/11/14

星落秋風五丈原

46
十三歳のペトラに、大好きな祖母が話してくれた。かつて蛇が母親を慕っていたが、目が見えないため、いつも母親に会うことができない。しかしようやく母親に会うことができた。蛇とはハレー彗星、母とは地球である。つまり、地球にハレー彗星が衝突するのだ。時は2061年。ペトラ・ペーニャは両親と弟ハビエルの家族4人で、崩壊目前の地球を脱出し新天地を目指す植民船に乗る。物語を聞かせてくれた大好きなおばあちゃんは地球に残る。目的地に到着するまでペトラの脳には膨大な民間伝承や神話がインストールされ家族一緒に暮らすはずだった。2023/05/26

朗読者

21
13歳の少女が主人公の児童文学。心情描写を詳しく書きすぎていて冗長に感じる文体でした。隕石衝突で人類滅亡の危機に、数百人乗りの宇宙船3隻で地球を脱出し、遥か彼方の惑星への移住を目指す話。主人公の弟ハビエルが一番心を打ちました。ディストピアとも言えるし、ユートピアとも言える興味深い仕立てになっていました。SF映画にしても面白そうだと思いました。2024/09/21

アカツキ

20
彗星衝突で地球が壊滅する。新天地に向かう入植船に乗り込む"選ばれし人々"の一員の少女ペトラだったが、休眠ポッドの不具合に気づかれず半意識状態で閉じ込められる。380年後、目覚めたペトラは多様性を排除した社会を作り上げた世話人の子孫コレクティブが選ばれし人々の記憶を消して奉仕させていることを知って…。ディストピアSF小説。ストーリーは荒いけれど面白い。半透明の肉体を持つようになった経緯などコレクティブの歴史が気になる。物語が持つ力を描いた作品だけど、美味しい食事を作ったらそれだけで革命が起きそうな気もする。2023/06/17

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