内容説明
14歳で銀行に事務見習として就職し,定年まで家族の生活を一人で支えつづけた詩人,石垣りん.家と職場,生活と仕事の描写のうちに根源的な雄々しい力を潜ませた詩を書きつづけ,戦後の女性詩をリードした詩人のすべての詩業から,手書き原稿としてのみ遺された未発表詩や単行詩集未収録作品を含む,120篇を精選.
目次
『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』(書肆ユリイカ、一九五九/花神社、一九八八/童話屋、二〇〇〇)
原子童話/雪崩のとき/祖国/挨拶/天馬の族/繭/夜話/よろこびの日に/白いものが/今日もひとりの/私の前にある鍋とお釜と燃える火と/日記より/女湯/手/顔/悲劇/盗難/三十の抄/屋根/犬のいる露地のはずれ/貧乏/家/夫婦/月給袋/風景/用意/私はこの頃/ひめごと/この光あふれる中から/不出来な絵/ぬげた靴/風景/その夜
『表札など』(思潮社、一九六八、二〇〇八/花神社、一九八九/童話屋、二〇〇〇)
シジミ/子供/表札/くらし/夜毎/旅情/海辺/島/えしゃく/崖/健康な漁夫/貧しい町/落語/海のながめ/土地・家屋/鬼の食事/愚息の国/銭湯で/公共/弔詞/唱歌/生えてくる
『略歴』(花神社、一九七九、一九八七/童話屋、二〇〇一)
村/儀式/略歴/行く/定年/遥拝/町/へんなオルゴール/追悼/神楽坂/まこちゃんが死んだ日/ケムリの道/風俗/十三夜/河口
『やさしい言葉』(花神社、一九八四、一九八七/童話屋、二〇〇二)
ことば/木のイメージ/還暦/跳躍/青い鏡/兵士の世代/坂道/洗剤のある風景
『レモンとねずみ』(童話屋、二〇〇八)
レモンとねずみ/すべては欲しいものばかり/年を越える/ゆたんぽ/いじわるの詩/私の日記/夜の詩/墓/声
単行詩集未収録詩篇から
花のことば/いくさの季節/帰郷/下品な詩/黒い影/ふざけた謝罪/落伍/犬/駆けだす/この道/発言/掌上千里/記憶/それから/南極/道のはずれに/ラッシュアワー……だな/汗をかく/捨て科白/嫉妬/きこえない/鳥がなく/夜道/東京の夜/グラウンド/猫がなく/おでんやのいる風景/葉かげ/貝がら/たそがれの光景/夏の朝/言い草/(無題)
解説(伊藤比呂美)
石垣りん自筆年譜
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