内容説明
没後仕事場からみつかった「絶筆」作品。本書は「禅の世界へ案内するガイド・ブック(案内書)。禅の世界への案内書は、むしろ禅の世界の住人が書いたものより、わたしのような禅の素人が書いたもののほうが分かりやすく、役に立つと思います」といったスタンスで展開する。
高みから講釈する「禅の達人」ではない「禅の素人」の筆者が遺した「禅は、馬鹿になるな! 阿呆になれ! と教えています」というメッセージに学びたい。「第Ⅱ部 禅僧列伝」における、語録・著作の真髄を み砕いての訳と解説は読みごたえあり、「ひろ流高僧伝」と言えよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿童子
30
2022年つまり去年に著者は逝去しているので、本書は死後出版、しかも発見された原稿による本なので「死後書き下ろし」という珍しいもの。ひろさちやの提唱することは「馬鹿になるな、阿呆になれ」で一貫している。禅僧の列伝の趣きがある。なかでも盤珪和尚に私淑しているのが面白い。恵心僧都の幼い頃に、川で食器を洗う僧侶に「その水汚いよ。他の場所で洗えば」と言い、僧侶が「不垢不浄、汚い物などない」と説教するのに対して、「ならばなぜ洗っているの」と返して僧侶が詰まるのが、個人的に受けるエピソード。2023/09/19
シュウヘイ
2
ひろさちやさん、亡くなったそうです 2022年4月 この作品は遺稿になります 禅について専門家でないひろさんのガイド本という立ち位置の作品 禅は仏教の一部門の括りで良いのかは難しい問題2023/06/28
葉
1
禅の考え方をわたしたち一般人にもわかりやすく説いてくれる一冊。 一章では禅の考え方、二章で有名な禅僧のエピソード、三章でまとめ。著者の人生観と死生観が綴られています。 とてもわかりやすくすらすらと読み進められるので、禅に興味はあるけど難しいのは苦手、、、というひとにもおすすめ。 作中にはあの有名な一休さんも出てきます。 死ぬ前にもう一度読みたい。2023/07/09