ちくまプリマー新書<br> 集団に流されず個人として生きるには

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ちくまプリマー新書
集団に流されず個人として生きるには

  • 著者名:森達也【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2023/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684486

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内容説明

過剰に叩かれる宗教、ナチスのホロコースト、危機をあおるメディア、ネットの炎上……。集団は強い絆と同調圧力を生み、時に暴走する。そこで立ち止まって「おかしい」と言えるだろうか?

目次

はじめに/今、世界で起こっていること/私たちはウクライナ側に立っているがそれは正しいのか?/日本のメディアは機能不全を起こしている/第一章 なぜ空気を読むのだろう/人間は群れる生きものだ/あなたはずっと集団化の時代に生きている/集団は暴走する/強い絆と同調圧力/なぜ日本人は集団と相性がいいのだろう/第二章 集団の中で流されること/集団は危険な意思決定をすることがある/敵が現れたとき私たちは集団化する/集団であやまちを犯した結果どんなことがあったか/日本のメディアは不安や恐怖を煽り続ける/善なる存在として人は生まれるが、環境によっていかようにも変わる/ネットで拡散されるデマ情報/一人ではしないことも仲間とならしてしまう/「ちょっと待って、おかしい」と言えないのはどうしてだろう/宗教は集団と相性がいい/第三章 ネット社会が持っている危険性/マスメディアが新聞とラジオだった時代/都合の悪いことは言い換える/戦争が起きるメカニズム/戦わないと国が滅ぶとくりかえし報道/ラジオと映画からテレビ、そしてネットの時代へ/SNSはカスタマイズされている/匿名で好きなことを書く/報道はなぜ実名なのか/自分は隠すが他人は曝してもよいという意識/ネットの中で強く出る人たち──なぜ、みんなで叩くのか?/ネットを法的に規制している国もある/誰かを批判するなら実名ですべきだ/第四章 集団に巻き込まれない生き方/集団に埋没せずに個を持ち続けられるだろうか/組織の歯車として多くの人を殺害/日本人の集団力の強さにおぼえる違和感/一人称単数の主語を持つということ/おわりに/負の歴史を忘れてはいけない/どこから見るかで世界の景色は異なる/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちえ

38
集団は強い絆でプラスにも働くが同調圧力を生む。集団で議論や合議を行う時に不合理で危険な決定をなされることが容易にある。メディアは真実だけを伝えているのではなく、そこにはフレームがかかっているし、国がメディアを利用したり、営利のためにメディアが一方的な情報に偏った歴史もあった。印象的なのは著者の大学の授業で一人の中国人留学生が伝えたいと許可を得て語った内容。ウランバートルでの式典後のフリータイムでの両国の学生の違い。過去へ対しての日本の視点と外国の視点の違い。集団に帰属しながら一人称単数の主語を保つこと。2023/06/10

Yutaka Matsuzawa

15
メディアリテラシーの本。メディアにどうすり込まれるかで個人では善良だった人が集団では残虐になってしまったりする。事象をどう解釈するかで見えかたは違ってくるし、もしメディアが間違った方向に進んだら最悪の場合日本人が過去に起こした戦争や虐殺を繰り返してしまうかもしれない。主語が我々や私たちの時は疑え。歴史に学べ。何事も自分の頭で考えよう。2023/06/18

imagine

10
いつもブレずに大事なことを繰り返し伝えている森達也氏。日本の社会がよりいっそう集団化、均一化している現在、その主張はますます価値が高まるばかりである。本来ならば社会が成熟し、著者が新たなテーマや問題提起で新境地を提示した作品に触れたい。だが、個人は集団に埋没し、メディアは産官の広報と成り果ててしまった現在、今までにも増して従来の主張を声高に叫ばなければいけない状況となっているのがもどかしい。読み手のこちらも今まで通り、日々の生活の中で一人称単数の主語で思考し、言葉を発し続けてゆこう。2023/05/04

紫の煙

8
青少年向けに書かれた本だが、若者はテレビを見ず、勿論新聞も読まない。入ってくる情報は、SNSだから、自分向けにカスタマイズされたものばかりだ。当然視野は狭くなるだろう。心配だ。教育とメディアは大事だと思う。2023/11/14

NBかえる同盟

7
定期的に森達也を。特に真新しい内容でもないのだろうが、「記憶」のために。群れるのは面倒だが、誰かに決めてもらうのは、楽だしなあ。まずは世界がもっと豊かで優しいものに見えるように、もう少し気合い入れよう。2023/05/05

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